スーパーフレアの発生年代を突き止める新たな研究のため、特殊な器具で年縞を掘削する中川毅教授(左)ら=4月25日、福井県若狭町の水月湖(福井県年縞博物館提供)

 水月湖(福井県若狭町)の湖底堆積物「年縞(ねんこう)」から、地球上の通信などを大混乱させるという太陽表面の大爆発「スーパーフレア」の痕跡を探す新たな研究を、京大や立命館大、同町の福井県年縞博物館などが共同で始めた。4月25日には年縞の掘削作業を実施。2026年をめどに7万年分の年縞を調べて発生年代を突き止める。頻度や規模の研究も進め、今の時代に備えが必要か検証する。

 太陽の表面では「フレア」と呼ばれる爆発が頻繁に起き、宇宙線などを放出しているという。数百倍から数千倍の規模のものは「スーパーフレア」と呼ばれ、発生すれば地球への影響は大きく、停電や通信障害、人工衛星の故障などを引き起こす恐れがある。

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 地球に届いた宇宙線は大気中の窒素などと反応し、放射性の「炭素14」をつくる。炭素14を光合成で取り込む樹木の年輪は正確な年代を知るための試料で、分析すればスーパーフレアの時期も推定できる。同博物館によると、過去7千年で4回発生したことが判明しているという。

 ただ、年輪よりさらに古い時代を測定できるのは年縞とされ、活用する研究が計画された。炭素14の量はスーパーフレアの規模を表すことから、分析すればどれくらい備えるべきかも判断できるという。

 25日の掘削作業には、立命館大古気候学研究センター長の中川毅教授や副センター長の北場育子准教授、同博物館の長屋憲慶学芸員ら4機関の約10人が参加。作業用のいかだを湖に浮かべ、特殊な器具で塩化ビニール管を湖底に突き刺し年縞を採取した。

 中川教授は「まずはスーパーフレアの発生を年縞から確認できるのか、数年かけて分析したい」と話していた。27日も掘削作業を行う。