新型コロナウイルス後遺症の主な症状

 福井県内の新型コロナウイルス流行「第5波」までの感染者のうち、24%が後遺症とみられる症状を訴えていたことが福井県対策チームのまとめで分かった。県外では休職を余儀なくされるなど、生活の質(QOL)が著しく低下した事例もある。医療関係者は「重症化リスクの低い若い世代も感染対策の意識を徹底してほしい」と警鐘を鳴らす。

 県対策チームは、2020年3月から21年10月にかけての第1~第5波の感染者計3115人のうち1470人を調査。退院や療養終了の1カ月後を目安に聞き取りした。この結果、357人に何らかの後遺症がみられ、おおよそ4人に1人の割合となった。感染時期別では第1波26%、第2波31%、第3波29%、第4波24%、第5波22%。主に疲労感や味覚障害、体力低下などが目立った。

 国立国際医療研究センター(東京)が21年公表したアンケート結果でも、感染者の4人に1人に発症か診断から半年後に何らかの後遺症がみられた。回復後は脱毛や集中力低下、記憶障害、うつ症状などを訴える人が多く、1年後も約8%に症状があったという。

 オミクロン株を中心とする第6波(21年12月28日~)の後遺症の実態は明確になっていないが、福井新聞の取材では療養終了後も不調を訴える人は一定数いるとみられる。

 福井市の40代会社員男性は自宅療養終了後、1週間ほど味覚が戻らなかった。「カレーライスを食べても粘土を口にしている気分だった」。食欲がわかず、食事を取ること自体が煩わしくなったという。「仕事で料理を試食する機会が多く、味を伝える業務に影響が出ないか心配した」と振り返る。第6波で陽性となり、嗅覚障害があった同市の女子高校生も「感覚が戻るまでは不安だった」と明かす。

 後遺症の治療は主に漢方薬の投与など対症療法。ワクチン接種を完了した人は症状が残りにくいとの研究報告もある。

 県内のある医療関係者は、後遺症について「医学的な因果関係を見つけるのは難しく、不明な点も多い」とした上で、「軽症や無症状でも後遺症のリスクを指摘する専門家もいる。甘く考えてはいけない」と強調。県の対策チームは「心身の不調が続くのなら、かかりつけ医などを受診してほしい」としている。