「乗客一人一人にあったお手伝いがしたいですね」。はじける笑顔でガイドする高橋知里さん=福井県勝山市のえちぜん鉄道勝山駅

 「1分でも笑顔を絶やしたくないんです。1駅区間だけ利用されるお客さまだったらそれが全てですから」。全44駅の階段の位置や駅と車両の間隔も頭に入れサポートする、えちぜん鉄道アテンダントの高橋知里さん(30)=福井県坂井市=は、まぶしいくらいのスマイルで福井県内外の乗客を全力で出迎える。

 あの女性ちょっと手荷物が多いみたい、あの男性はなんだか疲れてるように見えるなぁ…。毎日、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が利用し、その様子もさまざま。寒そうな人には窓から離れた席を、眠そうな人には静かな席を案内する。「みなさんが快適に過ごしてほしいんです」。乗客を観察し、リラックスできる雰囲気づくりに努める。

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 沿線紹介や乗降時のアシストのほか、車内の清掃、消毒、忘れ物がないか確認も行う。「少しでも良い旅になってもらえたら」と、観光地のコインロッカーや車窓から見える花木など、インターネットに載っていない情報もリサーチ。子ども連れが多い時は、易しい言葉でアナウンスする。

 アテンダント同士で情報を共有し、全ての利用者にサービスが行き届くよう心掛ける。券売や改札が機械化されていく中、「人でなければ気づかないような、乗客一人一人に合った手伝いをして、ぬくもりを届けたいですね」と高橋さん。

 好奇心旺盛な性格が向いていると友人に勧められ、4年前に就職した。新型コロナウイルス禍でも感染対策をして通常通り運行した際、常連客から「ありがとう」と声をかけられ、地域の足としての必要性をあらためて実感したという。自然災害に強く頼れるローカル鉄道、マスクの下からでも伝わる笑顔とともに人とまちを結び続ける。

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