重症心身障害児者ら22人が利用している「はぁもにぃ」。スタッフが一対一で付き添う場面も多い=福井県永平寺町松岡吉野堺

 人工呼吸器などを日常的に使用する医療的ケア児が福祉施設を利用する「放課後等デイサービス」は、原則18歳になると「生活介護サービス」に切り替わる。施設の利用時間や関わるスタッフは増えるが、サービスの基本報酬は安くなり、さらに放課後デイが対象の福井県独自の補助金もなくなる。県内事業所は「切れ目なく支援できるような報酬単価にしてほしい」と訴える。

 福祉サービス事業所「はぁもにぃ」(永平寺町)は、重症心身障害児者ら22人を受け入れている。このうち医療的ケアが必要な利用者は13人を占める。

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 放課後デイを利用する医ケア児などの場合、一般的に平日の日中は特別支援学校に行き、その後施設に来て、夕方に帰宅する。

 一方、特別支援学校の高等部を卒業すると、生活介護に切り替わり、朝から夕方まで施設で過ごすケースが多くなる。

 はぁもにぃを利用する20代の重症心身障害者のある一日のスケジュールは、午前10時に施設に来て、体操やマッサージ、塗り絵などの創作活動をして、刻み食やペースト状の昼食をとる。その後、口腔ケアを受け、バギーで散歩する。午後3時におやつを食べ、午後4時に自宅に戻る。スタッフはほぼ付きっきりだ。

 見谷文子施設長は「放課後デイに比べ、食事などスタッフが一対一で付き添う場面が増え、関わる時間は長い」と話す。

 厚生労働省の算定基準によると、重症心身障害児の放課後デイの基本報酬は、利用者1人当たり1日1万7560円(定員5人の場合)に対し、生活介護は1万2880円(定員20人以下の場合)。放課後デイには県の在宅サポート補助金が施設の規模にかかわらず、利用者1人当たり1日約4千円加算される。

 複数の福祉関係者は「生活介護の場合、子どもの入浴を求める親も多い。その思いに応えれば、特別仕様の風呂の設置費、入浴介助の人件費がかかる。基本報酬の単価が現状に追いついていない」と指摘する。

 はぁもにぃが開設された2014年度、放課後デイの利用者は5人、生活介護は3人だったが、8年たち、多くの利用者が生活介護に移り、常時定員いっぱいの状態が続く。

 自身も子ども2人が施設を利用している川満弓子代表理事は「障害が重度であっても、人として楽しく充実した生活を送ってほしいと願い、つくった施設。それには、どうしてもスタッフの数が必要。現実に見合った単価にし、子どもたちの暮らしを支援してほしい」と話している。