「The Power of Dreams」をテーマに講演した吉野浩行氏=2007年3月、福井県福井市の福井県生活学習館

 「夢の力を信じ、失敗を恐れず挑戦することが結果につながる-」。4月1日に死去した福井県福井市出身の元ホンダ社長、吉野浩行さんは、福井にも度々講演などで訪れ、学生や技術者らを前に夢を持つ大切さを伝え続けた。

 乾徳高校(現福井商業高校)時代から吉野さんをよく知るホンダクリオ福井(福井市)の松井昇会長(84)は、「裏表がなく温厚な性格で、人間性に優れたリーダーだった。的確な経営方針を打ち立てる芯の強さもあった」と振り返る。「忙しいときでも福井に来てくれた。人の話をよく聞いてくれて、周囲からの信頼が厚かった」と語る。

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 吉野さんは同窓会である関東福商会の顧問や相談役を歴任。松井会長は2007年に開催された同校創立100周年の際の吉野さんの講演に触れ、「夢を持って何事にもチャレンジすることの大切さを、父親のような表情で生徒たちに語りかけていた」と思い出を語る。福井県立大学の客員教授も務め、学生たちに経験や知識を伝えた。

 東京大学工学部航空学科を経て、技術畑を歩いた吉野さん。松井会長は「よく夢について語り合った。自動車メーカーでありながら航空機をつくったホンダの技術を誇らしげに話していた」と話していた。