小野谷さんが手がけるコース料理の一部=福井県越前市広瀬町の茶懐石「佳秀」

 ミシュランガイド北陸で一つ星を獲得した福井県越前市広瀬町の茶懐石「佳秀(かしゅう)」は、自宅などに出向いて料亭のもてなしを届けるケータリングサービスを3月から始めた。料理人が訪問先の厨房(ちゅうぼう)で調理した品を給仕係が提供。器や花などのしつらえ、祝いの席の進行といった依頼も相談に応じ、料亭に凝縮された日本文化を味わってもらう。

 茶懐石「佳秀」は、明治6(1873)年創業の料亭「鎌仁別荘」(同市天王町)5代目の小野谷佳剛さん(49)が経営。1日に客1組限定で最上位のサービスを提供するのがモットーで、昨年発刊の「ミシュランガイド北陸2021特別版」で県内の星付き8店の一つに入った。

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 「料亭は文化を生業にしている」と小野谷代表。長寿の祝いや結納、お食い初めなど、伝統にのっとったハレの席の家族連れらを迎えてきた。だが、新型コロナウイルス禍で常連客の足も遠のきがちに。「この状況が年単位で続くと、大切な人生の節目を逃してしまう人が出てくる。日本の良さを感じてもらう機会を失いたくない」とケータリングを始めることにした。

 自宅や集会所、会社など指定された場所に、感染対策を徹底したスタッフが出張。料理人が仕込みを終えた食材を持ち込んで厨房で調理し、出来たてを提供する。料理の内容やテーブルセッティング、掛け物、花などのしつらえも事前の打ち合わせで相談に応じる。

 松花堂弁当と茶懐石で特製・上製の2プランずつ(4~10人、一部は5人以上)と、宴プラン(11人以上)を用意。オプションで引き出物、お食い初め膳、セレモニー進行を付けることができる。価格は応相談。

 小野谷代表は「感染リスクの不安から外出を控えているような高齢者にも、自宅で安心して家族に長寿を祝ってもらう機会を届けたい」と話している。問い合わせは佳秀=電話0778(24)5245。