燃料価格の高騰を受け大手の新電力などが法人向け電気料金の引き上げを続々と通知し、北陸エリアの企業などから北陸電力(本店富山市)に契約切り替えを求める申し込みが殺到、北陸電側が現状の供給力では対応できないとして受け付けを停止していることが分かった。福井県内の電力関係者によると、ウクライナ危機による影響もあり多くの新電力が新規契約を停止する異常事態で、契約先を選べない企業にとってコスト増に拍車が掛かりそうだ。⇒3/22から気温低下…電力需給厳しくなる可能性

 北陸電が法人向け契約切り替えの受け付けを停止しているのは2月下旬からで、電力小売り自由化後、初めての措置という。同社は「急激な申し込みの増加は想定していなかった。要望に応じるには市場調達する必要があるが、卸電力市場の現在の市場価格を踏まえると、企業側にメリットがあるような提案ができない」としている。

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 電力関係者によると、原油や液化天然ガス(LNG)、石炭価格の高騰により、卸電力市場の取引価格が2021年10月以降値上がりが続き、大手の新電力などが相次いで4月以降の電気料金引き上げを契約企業に通知しているという。「最大1.5倍ほどの値上げを提示する事業者もあり、相対的に安くなる北陸電に申し込みが殺到したようだ」と関係者は指摘する。

 卸電力市場からの調達価格が顧客への販売価格を上回る「逆ざや」状態に陥っている新電力の事業者もあり、契約企業に対して継続打ち切りを求めるケースも出ているという。

 企業は、どの小売事業者とも契約が結べずに電力供給が受けられなくなる恐れもある。その場合、北陸電力送配電の「電気最終保障供給約款」によって、北陸電の標準電気料金の2割増で供給を受ける救済措置がある。

 ただ、電力関係者は「企業側が(新電力の)値上げを飲むにせよ、電気最終保障供給約款で電力供給を受けるにせよ、負担が重くなる。現在の卸電力取引は異常な状況で、地域経済に大きなダメージを与える恐れもある」と懸念した。

 電力・ガス取引監視等委員会によると、北陸エリアの法人分野の販売電力量に占める新電力のシェアは16%(昨年10月末時点)。