田原町駅付近のフェニックス通りを走る路面電車=福井県福井市田原1丁目

 福井県福井市の田原町駅近くに、路面電車の線路と車道が交差している場所がある。「車と電車、どっちが優先?」との疑問の声が福井新聞の調査報道「ふくい特報班(通称・ふく特)」に寄せられた。福井県警によると、車用の信号も踏切もなく電車が車道を横切る場所は県内唯一だという。法的には「電車優先」が結論だが、慣れていないドライバーは特に注意が必要だ。

 この場所は、フェニックス・プラザの東側。福鉄福武線の電車が田原町駅を出入りする際に、通称フェニックス通りの車道を横切る。北進する車から見れば右後方から電車が近付き、目の前を横切って駅に入る。もしくは駅から出てきた電車が左前から横切って南進していく。ここには電車用の信号はあるが車用の信号はなく、どちらかが譲らないと衝突してしまう。

 田原町のような交差地点は、全国でも珍しいとみられる。ちなみに同市の大名町交差点などでも交差地点はあるものの、車用と電車用に連動した信号があり、同時に交差することはない。

 県警交通規制課によれば、「路面電車の通行を妨げてはならず、電車が近づいてきた際は軌道敷外に出るか、十分な距離を保たなければならない」と道路交通法に定められている。つまり、信号がなくても「電車優先」というわけだ。

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 福鉄によると、社内規定の「最徐行」は時速15キロ。田原町の交差地点では時速10キロ以下で慎重に走行している。県警の調べでは、少なくとも過去5年間(2017~21年)は、ここで電車と車の接触事故は起きていないという。

 すぐ北側にはえちぜん鉄道の踏切があり、車列が連なると交差地点に停車してしまう恐れもある。道交法では軌道敷内の停車も禁止されており、県警は「前後左右をしっかり確認し、電車の進行を妨げないよう安全に通行を」と呼び掛けている。

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