高騰が続くガソリン価格=1月26日、福井県福井市内

 石油情報センターの週次調査が1月26日公表され、福井県内のガソリン平均小売価格(レギュラー1リットル)は前週比1円60銭高の169.6円(24日時点)だった。政府は27日発動の急騰抑制策で元売り業者への補助金支給を打ち出したが、原油高の影響は幅広く、県内の関係者は「価格の今後の推移は見通せない」「既にコスト増を吸収できない状況」と指摘する。企業収益の下振れにもつながり、コロナ禍からの回復を目指す県内経済にも影響を及ぼしている。

■他店気にせず

 県内のガソリン平均小売価格は2020年5月から上昇を続け、21年10月に160円台に突入した。

 県内でガソリンスタンド(GS)を展開する栄月(本社福井市)。福井市寺前町のGSでは1月26日、レギュラー1リットル当たり169円で販売した。政府介入決定を受け同日、全店で「燃料油価格激変緩和補助金のお知らせ」と書いた紙を給油機に張り、27日から補助金を適用した価格とすることを周知した。四谷智洋エリアマネージャーは「お客さまに少しでも安く買っていただけることは喜ばしいが、まずは抑制策の開始後の仕入れ価格を注視したい」と話した。

 多くのGSはこれまで、近隣GSとの競争や顧客への影響を考慮し、価格転嫁を抑えたり遅らせたりしてきたが、福井県石油商業組合の河部秀範専務理事は「もはや競争意識はない。生き残るために、他店を気にせず価格転嫁する傾向にある」と打ち明ける。

■ダブルパンチ

 ガソリンなどの燃油高は漁業者や農家にも影響を与えている。坂井市の三国港機船底曳網漁協によると、20年に1リットル40円台だった重油は現在約100円。五島精一副組合長は「自分の船は以前は燃料代が年間1200万円だったが、本年度は2千万円を超すかもしれない」という。

 さらに新型コロナのオミクロン株拡大で、民宿などでの越前がにの需要が減り、1月に入ってからはカニの価格が下落。「売り上げも減りダブルパンチ。この状況が続けば漁業を続けられない」

 イチゴ農園を経営するジョリーファーム(高浜町)は、5棟のハウスで暖房のため灯油と重油を使う。酒井輝代表社員は「今季は日照時間が少ない影響もあり、暖房費がかさむが、暖房の時間を減らすことも難しい」と頭を悩ませる。

■すべて上がる

 原油高は、製造や輸送などにも影響し、さまざまな原材料費の高騰につながっているとの指摘は多い。

 鯖江市のある眼鏡企画会社は「すべての材料費が上がっている。今年に入り、下請け業者が10%程度の値上げを申し入れてきた。商品価格に転嫁したいが、他社の動きを見ながら判断していくしかない」と話す。

 福井県眼鏡協会の谷口康彦会長も「金やパラジウムなどの金属の値も上がり、(製造に必要な)めっきの高騰が目立つ。コスト増を吸収できなくなっている」と危惧する。