北陸・北越大会で最高賞を獲得したポリンさん=2021年10月、石川県金沢市の金沢歌劇座

 福井工業高等専門学校(福井県鯖江市)のフィリピン人女性講師が、着付けの美しさを競う全日本きものコンサルタント協会の「日本の心と美の祭典 全日本きもの装いコンテスト きものフェスティバル」の北陸・北越大会で最高賞に輝いた。4月に東京で開かれる世界大会に出場する。着物愛を深めてくれた周りの人たちに感謝し、本番に向け「着物文化を国内外に発信したい」と意気込んでいる。

 女性はマグラブナン・ポリン・アンナ・テレーゼ・マラヤさん(34)=福井県福井市。専門は数学で、角度や折り目を正確にするほど美しさが増す着物には「数学的な魅力がある」と話す。

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 2013年に福井大学の留学生として来日。翌年入った着物サークルで初めて着付けを体験し、和の装いや作法の美しさに心を奪われた。今は同協会会員の吉川晴美さん(福井市)の教室に通っている。

 2021年春まで勤めていた福井大学では、海外の大学での出張講義には和装で臨んだ。留学生には積極的に着物を勧めるなど着物への愛情は深く、「教壇に着物姿で立つことが当たり前になれば」とほほ笑む。

 北陸・北越大会は2021年10月、石川県金沢市で開かれた。ポリンさんは、活動的な装いで競うカジュアルの部に出場。知人と吉川さんから譲ってもらった着物や帯締めで、素早く、美しい着付けを完成させた。スピーチでは和装の海外発信に対する強い思いを熱弁。新潟と北陸3県の計60人が参加した全部門の頂点に輝いた。

 ポリンさんは2018年の世界大会外国人の部で優勝。20年には北陸・北越大会の振り袖の部に外国人で唯一出場し2位となった実績がある。2021年11月には、過去の世界大会入賞者による首相表敬にも参加した。

 世界大会には、全国7地区の地方大会上位入賞者が出場。振り袖や留め袖など6部門で、着付けの美しさや立ち居振る舞い、スピーチなどで競う。ポリンさんは「周りの力があったからこそ出場できる。皆さんに感謝を伝える大会にしたい」と話している。