張り詰めた空気の中、大学入学共通テストの試験開始を待つ受験生=1月15日、福井県福井市の福井工大福井キャンパス

 2022年1月15日、16日に行われた大学入学共通テストは、数学の難化が目立ち平均点は大幅ダウン。大手予備校河合塾は20日にウェブ上で行われた分析報告会で、平均点が大幅にダウンした場合に何が起こるのか解説した。

 分析は、河合塾が共通テストリサーチの参加者の自己採点結果などを基に行った。5教科7科目総合型の平均点は文系、理系ともに前年から大きく下がり、理系が57.8点、文系は44.6点低下。同様の平均点を算出するようになった2004年のセンター試験以降で最も低いという。得点分布をみると文理ともに高得点層が大きく減少し、得点率8割以上の受験生は文系で前年比34%、理系38%となり半数以下となった。

 今回のように平均点が大きく下がった場合は志望校にどんな変化があるのか―。同塾が参考例として挙げたのは、前年から平均点(5教科6科目)が5%以上ダウンした2013年センター試験。国公立大学の出願を断念する受験生が増加し、特にボーダーラインが高い後期日程でその傾向は顕著に見られたという。私立大学への専願へ切り替える受験生が増え、その結果、都市部の国公立大学では志願者が減少。安全志向が鮮明になったとみる。

⇒東京大学、京都大学の志望動向は

 学部系統人気では、医学から歯・薬学など難関系統から他系統に流れる傾向が見られ、理工系は難易度に幅のある工業系に志願者が集まったようだ。難関大学では極端な志願者減少は見られなかったものの、同じ大学内や学部内で難易度が低い、より“狙い目”の募集区分に志願者が集中。その他の国公立大学でも、少数科目で受験できたり、前年低倍率だったりした難易度予想の低い学部・学科に志願者が集まった。

⇒主な大学の合否ボーダーライン一覧

 同塾の担当者は「安全だと思い志望変更した先に、意外にも志願者が集まり『安全』ではなくなるというケースが各所で見られた」と解説。前回の事例を踏まえ「狙い目に見える大学への志望変更は慎重に検討してもらいたいところ」と強調した。