◆逡巡する日々の思いの中で

―― クリスマスツリーとは? ――

昨年の年の瀬も迫った時、あまりにたくさんになり過ぎた獅子ゆずを有効に使ってもらえるとのことで保育園に届けに行った時のことでした。

玄関すぐの小ホールに飾られている立派なもみの木のクリスマスツリーがガラス戸越しにちらっと眼に入りました。

’ ああ、クリスマスツリー飾ったのだ ! ’ とっさにそう思いました。

そして、ふとおもったのです。

ツリーの一番上に飾られるシンボル「☆」(星)のその意味は? 確かずっと以前にキリスト者共同体の「クリスマスの人間性化式」に参加させていただいてどなたかにお聞きしているはずなのですが・・・。

再確認の必要を感じて、家に帰って早速『クリスマスの秘密』で再確認してみました。

この本は、1998年12月24日から28日迄秩父で行われた「クリスマス合宿」の「キリスト者共同体」の司祭でおられたドイツのハンス=ヴェルナー・シュレーダー氏の講演録です。

この合宿のお話の中、私たちの日常の感覚ではとらえ難い、しかし、今日においても実際に起こっているという地球上のキリストの働きと、地球のまだ秘密にされている本当の姿との深い関係の、超感覚的な出来事に対しても、その司祭というお立場上の長く、深い御経験から誰もが理解できるような平易な言葉で、実にわかりやすく砕いて詳細に話してくださっているのです。

ですから、この合宿に参加された方からその合宿の素晴らしかったことをお聞きして、参加できなかったことをとても残念に思ったことが思い出されてきたのです。

そしてその講演内容が講演録として2007年12月6日に涼風書林から「地球とキリスト1」として出されていたのです。幸いにも、そのお話と重複する内容の一部を、違う機会で実際にお聞きすることができていたのです。

第一講<クリスマスの三つの人間聖化式の意味>では、クリスマスの日の真夜中が来ると、キリストから信じられないほど明るく輝く光が人類と地球と私たちを照らすのだというのです。地球は内部から輝き始め、キリストからのこの光は人類にとって計り知れない祝福なのだといわれるのです。

これから迎えようとするクリスマスの夜に、キリストは来たるべき年のためにその力、その生命力を私たちに与えて下さるのだというのです。それゆえ、クリスマスというのは毎年新しく、地球と宇宙にとって大事な出来事で、クリスマスを正しく祝うことができれば、それに続く年には悪いことがあったとしても、それを克服できないようなことはあまり生じないということで、クリスマスを正しく祝うことが大事なことであるといわれるのです。

そして、その第二講義<地球とクリスマス 1> の「クリスマスツリーの意味」では、初めに「クリスマスツリーは地球のひとつの象徴」だと書かれているのです。

ルドルフ・シュタイナーは、「木は盛り上がった大地である」といっているそうです。ですから、「木というのは(クリスマスツリーは)地球の小さな象徴ともいえる」というのです。

そして、さらに、シュレーダー氏は「地球は冬に何をしているのでしょうか?」 「何を考えているのでしょうか?」と私たちに問いを投げかけておられるのです。

「私たちはこのクリスマスツリーを前にして、地球が何を考えているかを見ることができるのだ」と言われているのです。

そして、頂上に飾られる「☆」(星)のシンボルについて次のような説明がなされていました。

「一番上にある五芒星形(☆)は人類の目指している目標を表しています。人類が、人間の高次の自我に向かって進化するという目的です。」 

思想家ルドルフ・シュタイナー関係のクリスマスツリーには、一般のツリーとは異なって、33本のバラやろうそくや様々なシンボルとなるもの,で飾られているのです。

そのシンボルのひとつに、中心のもみの木の幹に対してらせん状に飾られる惑星のシンボルがあります。

下から土星(♄)、 太陽(☉)、月(☽)、火星(♂)、水星 (☿) 、木星 (♃) 、金星 (♀) 、です。

このシンボルから、地球は、その発展の偉大な過去、地球の進化の過程を思い出しているということができるというのです。

いわゆるシュタイナーによる壮大な宇宙史です。

地球の原初の、この考えられないくらい古い土星紀の状態であるこの時点から地球が始まったといえるのだというのです。

そのとき、この地球はある決意をしたというのです。それは大昔に地球が行った原初的決意、常に人類と共に歩もうということだというのです。どんなことがあっても人類と共にいるということだというのです。

続いて、闇というものがなく、光だけであった古い太陽の状態、それから、古い状態の月、火星、水星です。

この古い月の状態は、闇が初めて地球の中に入ってきたときだといわれています。

そして次に人類にとって非常に困難な状態がやってきました。それは火星に象徴されているというのです。悪の力が入り込んできて、いろいろな人類に対する敵対的勢力・悪の力が増してきて人類にとって非常に困難な時代が訪れ、現代の我々はまだこの時点にいるのだというのです。今私たちはこの火星の段階にいて(地球紀)悪と戦い、苦悩しながらいろいろな努力をして、戦っているのだというのです。

このようなプロセスの全部をちょうどクリスマスの時期に地球がもう一度思い出していて、それと同時に希望に満ちた未来も地球は考えていて、その苦悩が、水星の力で運動性をもち、それが希望として克服されるであろうというビジョンや木星の偉大な叡智によって、金星の愛と平安の力によって、補われることが水星、木星、金星で表されているというのです。

また、ちょうどクリスマスの時期になると、霊的な世界の四つの門が開いて、そのうちの一つの門である「誕生の門」では、次の年に産まれようとしている子どもたちの魂が、地上に近づいてきて、地上の様子を天界から眺めているのだというのです。天界の門が開いて、数えきれないくらいたくさんの子どもたちの魂が地球に近づいてきているのだというのです。

この情景を、ラファエルという画家は「シクストゥスの聖母(システィナの聖母)」という、このクリスマスの神秘を大変大きな絵の中で描いているのです。

ずっと以前になりますが私もドイツに住む末娘に案内してもらって、ドレスデンのツヴィンガ-という建物の絵画館で実際に見ることができました。

天界の門が開き、子どもたちが近づいて来て、マリアが子どもを抱いているその背景に、次の年に産まれようとしている子どもたちの顔が沢山描かれているのです。

私たちもまた生まれる前、クリスマスのときに地球に接近し、天界から地球を眺め、その翌年に産まれて来ているのだというのです。

天界から地上を眺めて、地球で起こっている困難や危険な様々なことを見て、そのことに対して不安や恐怖を抱くことなく覚悟してこの世に降りてきているのだというのです。なぜならそれは、それらの出来事に意味があると知っているからなのだというのです。

この生まれる前の世界の思い出は、今までは闇の重い扉によって閉ざされていて、その向うを見ることができなかったというのです。誕生の門は暗くて不透明だったというのです。しかし、この扉が今だんだん透明になってきているのだというのです。

また、生まれる以前の世界の記憶を持って生まれてきている子どもたちが増えてきているのだそうです。

それは、子どもだけに限らず、成人した人々の中でも、生まれる以前の記憶を持った人が増えているのだそうです。

さらに詳しく知りたいと思われる方は是非、『クリスマスの秘密』をどうぞお読みください。

では、次回では、子どもたちが天界からこの地上世界へどのように生まれてきているのかについてみていきたいと思います。

参考文献『クリスマスの秘密』(ハンス=ヴェルナー・シュレーダー 小林直生 訳 

涼風書林)