共同開発した弾性ストッキングを手にする福井大医学部の濱野准教授=福井県永平寺町の福井大学松岡キャンパス

 パーキンソン病患者の立ちくらみや歩行の改善につながる弾性ストッキングを、福井大学医学部と福井県内の繊維メーカー2社が共同開発した。特許を出願中で、早ければ今年中の発売を目指す。従来品に比べ履きやすさを重視し、同大医学部の濱野忠則准教授(脳神経内科)は「少しでも患者の苦しみを解決したい」と話す。

 パーキンソン病は脳の神経細胞が減り、手足の震えや筋肉のこわばりが起きる進行性の難病。患者は高齢者が多く、県内で千人を超える。濱野准教授によると、血液を全身に巡らせるポンプのような役割があり「第二の心臓」とも呼ばれるふくらはぎの筋肉が衰えるケースが目立ち、立ち上がった時に立ちくらみを起こしやすい。

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 弾性ストッキングは、主にふくらはぎを締め付け、血をたまりにくくする機能があるという。従来品は十分に加圧できなかったり、逆に圧力が強すぎて高齢者が着脱に苦労したりする場合があった。

 新たなストッキングは濱野准教授が発案し、アサヒマカム(本社坂井市春江町江留中)が生地の開発、e-GATE(本社福井市川合鷲塚町)が縫製を担い、3年かけて完成させた。

 膝から下を均等に加圧できるようになっているほか、ふくらはぎが細くなった患者にも合うサイズを用意。着脱しやすいようにふくらはぎにファスナーを取り付け、かかとにも穴を開けた。

 2021年11月中旬に福井市内で開かれたパーキンソン病患者の医療懇談会で試着会を行った。70代の男性患者は「安定感があって、シャキッとする」と歩きやすさを実感。患者家族の70代女性は「ファスナーが付いていて履きやすそう」と話した。e-GATEの担当者は「パーキンソン病と同じように血流が悪くなって起こるエコノミークラス症候群の予防も期待できるのでは」と話す。

 今後さらに30人程度の患者に試してもらい、データを集め今年5月の学会で発表する予定。試着データを基に、サイズの種類などを決め、商品化する。