誹謗中傷の可能性のある書き込み件数の推移

 福井県内の新型コロナウイルス感染者らへのインターネット上の誹謗(ひぼう)中傷や差別に対して、県が昨年11月にモニタリング(監視)を始めて1年がたった。昨年3月までさかのぼって調べており、今年10月末までに問題があるとみられる投稿は351件あった。感染者が出た事業所などを名指しし、従業員らの行動を責める内容が多いという。県人権室は「監視自体にも一定の抑止効果が期待できる。感染状況を見ながら継続したい」としている。

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 県が委託した専門業者によるモニタリングは、会員制交流サイト(SNS)や掲示板、動画投稿サイトなどを対象に、特定のキーワードで自動検索した後、人工知能(AI)が中傷や差別に当たるものを選別。抽出された書き込みを人の目で最終確認し、画像とともに県に報告する。

 県人権室によると、問題がある書き込みが最も多かったのは、県内の流行「第1波」の昨年4月で103件。感染者数により件数は変動するが、100件超えはこの4月のみ。続いて多いのは第5波さなかの今年8月で33件だった。

 田中丈博室長は「昨春は激しい誹謗中傷の書き込みや投稿が見られたが、コロナの情報が普及しワクチン接種が広がるにつれ臆測での中傷は減っている。誹謗中傷が良くないという風潮も広がってきたのでは」とみる。

 投稿では、感染者が出た飲食店などに対し「もう営業するな」といった書き込みが見られた。店や企業、施設、その従業員らを中傷する内容が多く、帰省など県外との行き来、飲食など感染者の行動を責めている。内容が事実でないものもあった。

 県は誹謗中傷に当たる投稿などの画像を保存し、公文書と同様に5年間保管する。被害者が訴訟を起こす際などに証拠として活用してもらい、投稿削除や法的手続きも支援する。

 福井市のアオッサ内の県人権センターが被害相談に対応しており、これまでに1件の相談があった。相談窓口は同センター=電話0776(29)2111。