オミクロン株の判別にも活用される解析装置「次世代シークエンサー」=福井市の福井県衛生環境研究センター(福井県提供)

 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内で2例確認され、警戒感が高まっている。福井県は、県衛生環境研究センター(福井市)でオミクロン株を判別する体制を整えている。現状はコロナ陽性判定から確認に「4~5日間はかかる」(県対策チーム)ため、より迅速な検査方法の開発が急がれている。

⇒「オミクロン株」について分かっていること

 オミクロン株は、感染力が増したり、ワクチンが効きにくくなったりしている可能性が指摘されている。

 各都道府県は今春以降、変異株出現に伴いウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析できる装置の配備を進めた。福井県も「次世代シークエンサー」を導入し8月中旬から変異株の判別、感染系統の特定などに活用しており、オミクロン株にも対応している。

 厚生労働省は現在、入国後14日以内か感染経路不明の陽性者のゲノム解析を実施するよう都道府県などに要請。福井県は海外渡航歴がある人と接触した人も含め、対象の陽性者を隔離し変異株の検査を進める方針。

 まず7~10月の流行「第5波」の中心となったデルタ株の検査を行い、陰性だった場合に次世代シークエンサーでオミクロン株と同じ遺伝子配列かどうかを調べる。コロナ陽性判定後、デルタ株の検査に1日、ゲノム解析に3~4日かかるため、オミクロン株の判別までに4~5日必要になる。1日当たり最大24人分検査できる。期間短縮のため、感染状況によっては、デルタ株の検査とゲノム解析を並行させる可能性もあるという。

 国立感染症研究所は現在、デルタ株と同程度の時間でオミクロン株を特定する検査方法の開発を急いでいる。県対策チームの担当者は「デルタ株で重症化を防ぐのに有効だった抗体カクテル療法やワクチン接種が、オミクロン株にも有効かどうかの情報も早くほしい」と話している。