オミクロン株の特徴

 新型コロナウイルスの新変異株オミクロン株。日本の国立感染症研究所は「懸念すべき変異株」に指定し、警戒度を最も高いレベルに引き上げた。同研究所の情報などを基に感染力や症状について調べてみた。

 オミクロン株は南アフリカが2021年11月24日に初めて世界保健機関(WHO)に報告した新型コロナウイルスの変異株。WHOはアルファ株(英国)ベータ株(南アフリカ)ガンマ株(ブラジル)デルタ株(インド)に続く5番目の「懸念される変異株(VOC)」に指定した。日本の国立感染症研究所によると、感染に関わる「スパイクタンパク質」に約30カ所の変異がある。強い感染力を持つ恐れがあるほか、免疫を回避しワクチンの効果を低下させるとの懸念もある。オミクロンはギリシャ文字の15番目のアルファベット。

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 新型コロナウイルスの新変異株、オミクロン株は人の細胞に侵入する際の足掛かりとなる表面の突起に変異が際立って多いのが特徴だ。感染力の増加や、ワクチンや抗体薬が効きにくくなる可能性が指摘されている。ただ、重症化しやすくなっているかどうかも含めて特性はまだ十分明らかではない。

 国立感染症研究所によると、オミクロン株は「スパイクタンパク質」と呼ばれる表面の突起に約30カ所の変異が生じている。米スクリプス研究所が公開するデータによると、世界で猛威を振るうデルタ株の変異は8カ所。国内の専門家からは「これまでの変異株より桁違いに多い」と驚く声が上がる。

 感染研は、いくつかの変異について「細胞への侵入しやすさに関連する可能性がある」とし、感染力の増加を懸念する。

 ワクチンを打てば、スパイクタンパク質を標的にして結合し、ウイルスが細胞に侵入して感染するのを防ぐ抗体が作られる。しかしオミクロン株は多くの変異があるため、うまくウイルスに結合できず効果が落ちる恐れがある。同様の仕組みで抗体を使った治療薬の効果にも影響が出るかもしれない。海外ではワクチン2回接種した人が感染したケースもある。

 ただ現状はデータが限られており、従来株に比べてどこまで危険なのかは十分評価できていない。世界保健機関(WHO)は各国に調査や研究を進めるよう求めている。大阪健康安全基盤研究所の本村和嗣公衆衛生部長は「今後検出された場合に国内での拡散を防ぐため、検疫所や国の情報を自治体などと速やかに共有することが必要だ」と訴える。

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 オミクロン株は11月28日時点で英国、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、デンマーク、イスラエル、ボツワナ、南アフリカ、香港、オーストラリアで確認されている。日本では確認されていないが、政府は指定施設での10日間待機などの水際対策強化の対象を28日からアフリカ9カ国に増やした。

 また、米国は27日にアフリカ南部8カ国への渡航中止勧告を出し、イスラエルは全外国人の入国を禁止すると発表。ジョンソン英首相は27日の記者会見で「オミクロン株は大変速いスピードで拡大している。(ワクチンを)2回接種した人の間でも広がる可能性がある」として、3回目の追加接種を迅速に行うよう呼び掛けた。英国は人口の大半を占めるイングランドで公共交通機関と小売店内でのマスク着用義務を再び導入。他の地域では義務化が続いており、英国全体で一定の規制が復活した。

 オミクロン株はドイツは南部バイエルン州で、イタリアは北部ミラノ、オーストラリアはシドニーで確認された。いずれもアフリカ南部からの渡航者という。

 欧州では26日に初めてベルギーで明らかになり、チェコで同株とみられる症例を確認。オランダでは26日に南アフリカから到着した航空便の乗客61人が新型コロナ検査で陽性となり、うち13人のオミクロン株の感染が確認された。デンマークも28日、感染疑いのあった2人の感染を確認したと発表した。