作務衣姿でリラックスしながら「都心より、緑に囲まれて暮らす方が豊かだと思う」と語る三浦瑠麗さん=長野県軽井沢町

 週末は東京を離れ、長野県軽井沢町のログハウスで夫と小学生の娘の3人で過ごしている。2時間ほどの車移動で、のんびりした時間を楽しめる。2拠点生活を始めて7年。娘は「空気が全然違う」と、ここを気に入っている。

 早朝の霧の中、庭を散策してから温かいものを飲む。夜はたき火をしながら夫と私はウイスキー、娘はホットレモン。とても幸せな時間だ。

 テレビで国際問題や政治について論戦した後は、ネットで批判されることがある。ワンピースで学会に出席し、陰口をたたかれたこともある。ストレスはたまるけれど、ここで庭いじりや料理をすればすうっと忘れられる。たまった砂が、無数の穴からさらさらと落ちていくように。

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 人口減の中、地方は観光客など交流人口で経済を回す選択が必要になる。そこに2拠点生活という選択肢が加われば、より地域に密着した交流が可能になる。住む人の側から見れば、2拠点の実践はより充実した暮らしにつながる。都心の家でクーラーをかけて暮らすより、標高千メートルの土地で緑に囲まれて暮らすことの方が豊かだと、私たち家族は思っている。

なぜ2拠点生活を始めたのか。

 夫も私も郊外の田舎育ち。大学時代から付き合っていた私たちは、海水浴やハイキングが好きで、自然に囲まれた暮らしをしたいと思っていた。東京でマンションを買うと高い。賃貸を払い続けても、何も残らない。今、2拠点生活をするために軽井沢町近くで土地を探している人は多い。土地建物を含め、東京に比べれば安い。

 2拠点なら、少しの移動で家でのんびりもできるし気分も変えられる。おいしい空気も吸える。遊園地でお金を使うより、高速道路でこっちに来た方が安上がり。車で1時間圏内には温泉があり、秋にはリンゴ狩りができる。

とはいえ、2拠点生活はお金がかかるのでは。

 夫の転職を機に退職金を頭金にしてローンを組んだ。当時、私はテレビ出演しておらず、ログハウスを建てるところまでしかお金が続かなかった。チェーンソーとなたを買って、2人で庭を開墾した。手をかけるのも楽しい。2拠点を実現できるかどうかは、経済的なことより価値観だと思う。

田舎生活の魅力は。

 子どもを庭で自由に遊ばせられる。都会だと公園で付きっきり。それに食べ物や水がおいしい。私は長野県佐久市の米を食べているが、同じ炊飯器でも東京と軽井沢では味が違う。水が違うから。

 人目を気にせず、家族だけで過ごせるのもいい。特に冬の軽井沢は人があまり来ないから、ものすごく静か。車の音も聞こえない。SNSやインターネットが広まった時代では、人間はなかなか一人になれない。