新興感染症に備えて専用病床を常設する福井県立病院=福井県福井市の同病院

  新型コロナウイルス感染症が収束した後、福井県立病院が新興感染症専用の病床を常設する方針を固めたことが11月25日、福井県への取材で分かった。感染症内科も新設し、新たな感染症の大規模流行に対応できる診療体制を構築する。

 2022年度から3年を期間とした中期経営計画(病院改革プラン)の骨子に盛り込んだ。県会の審議などを経て、年度内に策定する。コロナ禍で課題として浮上した、新興感染症と通常の高度急性期医療を両立できる治療体制を整備したい考え。

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 コロナ禍からの再興に向け、20年度に整備したコロナ患者専用病床を、将来起こりうる新興感染症に備えてコロナ収束後も常設化する方針。新設する感染症内科には専門の医師と看護師を配置する。

 コロナが収束してからも、コロナ専用病床で対応してきた看護師の人員は維持し、新興感染症に備えた「感染制御看護師」として各病棟に加配する方針も明記。研修を繰り返し、有事には感染症病棟の看護に当たる。

 高度急性期医療の質を高めるため、精神病床のスリム化と再編に着手する。例えば重度の拒食症や自閉症などの児童や思春期の患者について、県内には入院できる医療機関がなく、近隣県の病院で治療するケースが多いため、県内初となる専用病床を整備する。また、一般の精神病棟を精神と身体の両方に疾患のある合併症患者をみる「精神科救急・合併症病棟」に再編し、より重篤な患者に対応する。

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 サービス向上策としては、入院前の相談を充実させる患者総合支援センター(仮称)の新設を盛り込んだ。患者の症状や常用している薬剤などを事前に把握し、円滑で適切な治療を施すことで、患者や家族が安心して入院治療を受けられる体制を整える。

 先進的なカテーテル治療など最先端医療による治療選択肢の拡大、医師や看護師の働き方改革にも着手する方針。