娘のまつりさんを失った悲しみを語る高橋幸美さん=10月27日、福井市の福井県国際交流会館

 福井労働局は10月27日、過労死防止対策の推進を図るシンポジウムを福井市の福井県国際交流会館で開いた。長時間労働やパワーハラスメントに苦しみ、2015年に自殺した広告大手電通の新入社員高橋まつりさん=当時(24)=の母幸美さん(58)が講演。「社員の代わりはいても自分の代わりはいない。命より大切な仕事はない」と訴えた。

 幸美さんは、まつりさんのワンピースを着て登壇。毎日のように午前2~4時まで働き、1週間で10時間しか睡眠時間がなかったとし「娘を救えず悔やんでも悔やみきれない。限界になるまで頑張らず、早めにSOSを出してほしい」と呼び掛けた。

 長時間労働の見直しに伴い、残業代が減っているとの声も聞くといい、「生活のために長時間労働をしなければならないような経済構造が問題。過労死をゼロにする対策をしてほしい」と強調した。

 シンポジウムは11月の「過労死等防止啓発月間」を前に開催。県内の経営者、人事担当者ら約60人が参加し、産業カウンセラーの基調講演や県内企業の取り組みの報告もあった。