運転開始から44年を超えて再稼働した美浜原発3号機。福井2区ではエネルギー政策を巡る論争が繰り広げられている=2021年6月、福井県美浜町丹生

 新たなエネルギー基本計画には、2050年の脱炭素社会の実現へ原発を重視する姿勢が示された。だが、50年時点の原発の数や脱炭素社会に向けた道筋は明記されなかった。全国最多の原発が立地する福井県の嶺南をエリアにした衆院選福井2区では、自民党前職の高木毅候補(65)と立憲民主党前職の斉木武志候補(47)がエネルギー政策を巡る論争を繰り広げている。

 「あと16年すると美浜3号機の灯が消えると思われてるかも知れないが、必ずしもそうではない」。高木候補は10月22日夜に美浜町で開かれた個人演説会で、高経年化原発の今後に言及した。最長運転60年の現行ルールを見直し、各炉ごとに科学的根拠に基づき運転可能な年数を判断すべきだと主張。美浜3号機の60年超運転もあり得ると訴えた。

 背景には、政府が新たなエネルギー計画で原発を「必要な規模を持続的に活用」とし、新増設やリプレース(建て替え)の方針を示さなかったことがある。既存原発を活用せざる得ない状況だ。自民も衆院選公約で、原発は脱炭素社会実現のために不可欠な電源と位置付けながら新増設や建て替えには触れていない。

 これに対し立民は政策集で原子力に依存しない原発ゼロ社会を1日も早く実現するとし、再生可能エネルギーへの転換を掲げる。影響を受ける原発立地地域に対しては、先進的技術産業の誘致など経済、雇用面での支援を明記している。

 「水素やアンモニア、バッテリー産業など今の国策を特区にして誘致する」。衆院選公示日の10月19日、斉木候補は敦賀市内でこう訴えた。党綱領の「原発ゼロ」には触れず、原発が嶺南最大の産業になっている現状を踏まえて「原子力を否定してはいけない。最大の人が働く重要な産業だ」と指摘した。その上で「政府も新増設を考えていない」と強調し、太い送電網を生かした新エネ産業による雇用創出の必要性を語った。

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再生可能エネルギー拡大 福井1、2区の4候補に違い

 脱炭素社会に向け、再生可能エネルギー導入拡大の方向性は福井1、2区の候補4人に共通した認識だ。ただ、その行程や方法に違いが見られる。

 1区では、立憲民主新人の野田富久候補(74)は、2030年度の電源構成で再生エネを現状の2倍以上の50%まで拡大して「自然エネ立国の実現を図る」と訴える。環境に配慮した住宅設備の導入を後押しするなど、国民に身近な省エネ支援が重要だとする。

 自民前職の稲田朋美候補(62)は、政府と同様、30年度の温室効果ガス排出量を13年度比で46%削減するという目標を掲げる。脱炭素を目指す2兆円基金や投資促進税制など「あらゆる政策を総動員」して、企業や国民が挑戦しやすい環境整備を図る考えだ。

 2区では、自民前職の高木毅候補(65)は、ハイブリッド車や電気自動車導入の一層の推進を目指す。立憲民主前職の斉木武志候補(47)は、再生エネの電力をためる高性能バッテリー開発を重視する。

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