福井県大野市の越前大野城が雲海に浮かんだように見える「天空の城」が10月27日早朝、姿を現した。城から約1キロ離れた同市犬山の戌山城址(いぬやまじょうし)近くでは、幻想的な光景をカメラに収めようとファンらがシャッター音を響かせた。
撮影した加藤幸洋さん(54)は、午前2時ごろに同城址付近で一度雲海を確認し、同5時ごろから撮影を始めた。雲が薄れたり濃くなったりを繰り返しながら、同6時半ごろまで楽しめたという。加藤さんは「日の出前は星との共演が美しかった。何度見ても同じ光景はなく、いつも違う美しさがある」と話した。
天空の城は秋から春にかけ前日の湿度が高く、冷え込んだ朝に発生するという。1シーズン10回ほどで、市観光交流課によると、今年は例年よりやや早い9月中旬から確認されている。撮影スポットまでは険しい山道が続き、道中はクマ対策が必要。