空きビル(右奥)を改修して総菜製造・販売などで人がつながる場づくりを目指す河村亜紀さん(左)=10月21日、福井県越前市幸町

 福井県越前市中心市街地の空きビルを改修して、総菜製造・販売やレンタルスペース運営などを通じて人がつながる場をつくろうと、兵庫県から越前市にUターンした河村亜紀さん(34)が準備を進めている。「みんなが個を生かして、自分のやりたいことを表現できる空間にしたい」。2022年2月の本格始動に向け、福井県に特化したクラウドファンディングサービス「ミラカナ」で資金の支援を募っている。

 河村さんは東京の製菓店を退職後、食事会イベントを企画するなどで、食を通じて人をつなぐ仕事にやりがいを感じた。15年に自身の結婚式をオーダーメードしたプロたちの仕事ぶりを目にし、「それぞれが得意なことを持ち寄って一つのものをつくる」ことの素晴らしさに感動した。

 そのときに思いがよぎったのが、古里の商店街だった。「昔は隣近所で応援し合い、補い合って暮らしていた。希薄になりつつある人との関わりを再構築したい」。17年に移り住んだ兵庫県淡路市でゲストハウス運営やケータリング提供、菓子製造などの経験を積み、今夏に見つかった越前市幸町の空きビルで新たに事業を起こすことを決めた。

 大正期に建てられた市役所近くの2階建てビルを改修。1階で季節の総菜を製造・販売し、イートインスペースを確保する。焼き菓子や発酵調味料も製造し、冷凍総菜とともに全国配送を受け付ける。食に関する勉強会やワークショップも開いていく予定。

 2階には、美容師兼スタイリストが髪形やメーク、ファッションなどをトータルで助言する「イメージコンサル」が入居。写真撮影や動画配信など多目的に使えるレンタルスペースを設ける。

 まちづくり武生などの協力を得て11月中に改修に着手し、22年1月のプレオープンを目指す。河村さんは「多くの人の豊かさや幸福度が充実するような活動につなげたい」と意気込んでいる。

 総菜製造の機械導入資金の支援を11月5日まで募っている。食事会招待などの返礼を用意している。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年4月に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年6月から福邦銀行が事業に参画した。