シカ肉のへしこ。チーズとトマトと一緒に食べるのがおすすめという

シカ肉へしこの特産化へ寄付を呼び掛ける萩原茂男さん(左)と柿本京子さん=福井県おおい町名田庄納田終の「よざえもんカフェ」

 福井県おおい町名田庄納田終(なたしょうのたおい)で活動するNPO法人「森林楽校・森んこ」が、シカ肉のへしこの特産化を目指し、福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。「珍しい特産品を足がかりに、深刻なシカの食害を受けている森や山の現状に目を向けてもらい、環境問題に関心を高めてほしい」と話している。

 環境学習などに取り組んでいる同NPOは、シカが山や森の下草を食べ尽くして生態系が崩れたり、地表の土が流出しやすくなったりしていることに不安を感じていた。一方、駆除されたシカはほとんどが焼却処分され残念に思っていた。

 近くにある名所、野鹿の滝(のかのたき)にちなみ「野鹿プロジェクト」を立ち上げた。シカ肉料理の開発などを掲げ、無住集落、老左近(おいさこ)で古民家を改修してオープンした「よざえもんカフェ」で、シカ肉のハンバーガーなどを提供している。

 へしこは本来、魚を漬け込んで作るが、シカ肉で作ることで話題性が高まり、環境問題に関心を持ってもらえるのではと考えた。昨年試作したところ獣臭さはなく独特の食感があり、ヘルシーに仕上がり手応えを感じた。

 安定的に提供するためには調理場の改修、低温調理器などの準備が必要で、県のふるさと納税による新事業創出支援事業の認定を受け、CFサイト「レディーフォー」で9月27日から資金募集を始めた。目標金額120万円の寄付を10月29日まで募っている。

 同NPO代表の萩原茂男さん(62)は「シカをテーマに人と自然との関係を見つめ直し将来につなげていきたい」と意気込む。カフェでボランティアで働く柿本京子さん(65)は「野鹿ブランドを発信し、地元のPRにもなれば」と話している。