フナの煮付けの缶詰の試食会に参加した県里山里海湖研究所の樋口研究員(⒨木々)と若狭高校の生徒ら=10月7日、福井県若狭町鳥浜

フナの煮付けと缶詰のデザイン案

 福井県若狭町の三方湖などで主に冬場に漁獲されるフナを1年中味わえるようにしようと、若狭高海洋科学科の女子生徒3人がフナの煮付けの缶詰の商品化に向け準備を進めている。県里山里海湖(うみ)研究所と地元鳥浜漁協の依頼を受けたもので、来年3月に発売する予定。10月7日、同町鳥浜の三方五湖自然観察棟で試食会があり、味やデザインなど商品化までの課題を関係者と協議した。

 缶詰化を企画したのは、三方五湖の伝統漁法について調べている同研究所の樋口潤一研究員(43)。三方湖のフナは400年以上続くとされる「たたき網漁」で漁獲され、昭和30年代には約30隻の船が漁に出るほど盛んだったという。近年は湖魚を食べる人が減ったほか、提供する店が少ないため8隻しか漁に出なくなった。湖魚のおいしさを伝えつつ安定的に供給することで、伝統漁法を後世に残そうと思い立った。

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 宇宙日本食「サバ醤油(しょうゆ)味付け缶詰」を開発するなどノウハウのある若狭高に依頼したところ、2年生3人の賛同と協力を得た。鳥浜漁協から冷凍したフナをもらい今年6月から試作を開始。福井缶詰(小浜市)と協力し、骨を軟らかくするため加熱温度を上げるなど、試行錯誤を繰り返してきた。

 試食会には若狭高の3人や樋口研究員、町職員ら約15人が参加。調味料の配合が微妙に異なるしょうゆ味の煮付け6種類を用意し、骨まで食べられることや甘い味付けがおいしいことなどを確認した。鳥浜漁協の田辺喜代春組合長(70)は「本来は小骨が多く少し食べにくいが、缶詰だと気にならない」と笑顔だった。

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 三方五湖や漁船などをあしらった5種類の缶詰デザイン案も披露された。缶詰は今後さらに味付けを改良し、生徒自らがたたき網漁でフナを取るなどした後、商品化するという。


 試作に当たり初めてフナの煮付けを食べたという生徒は「脂がのっていてとてもおいしかった。缶詰で多くの人に湖魚の魅力を伝えたい」と意気込んでいた。