福井県おおい町名田庄地区特産の秋の味覚、若狭マツタケのシーズンが始まった。例年より10日ほど早い到来で香り、身の締まりも上々。重量感があり、取り扱う地区内のスーパーの担当者は「出始めでこれだけ大きいものは珍しい」と豊作に期待。待ちに待ったファンからは、問い合わせの電話や予約が相次いでいる。
若狭マツタケは、国内最高級の丹波マツタケと同じくらいの香りの高さ、締まりの良さが特長という。
同町名田庄三重のスーパー「カネイチ」には、10月1日にマツタケ4本が初入荷。大きいもので、かさの直径が16センチ、高さは18センチあり、重さも150グラムを超えた。田中俊弘店長(53)は「秋を迎え夜が冷え込むようになると収穫されるようになる。これから雨が降り秋めいてくると、さらに生えてくる」という。
20年以上前は軽トラックの荷台いっぱい収穫できたが年々減少。「昔はそこらへんの山でも取れたが、今ではみんな奥山に入っている。シカも食べているようだ」と田中さん。最近の入荷量は横ばいで、年間約20キロを販売している。
希少価値が高まる一方で、品質の良さからリピーターは増えている。同店には9月中旬以降、問い合わせの電話が20件以上入っている。田中さんは「若狭マツタケは香りを楽しまないと」と話し、食べ方は土瓶蒸しや焼きマツタケがおすすめだという。かさが開く少し前のものが一番香りがよく、100グラム当たり4千~1万5千円で販売している。入荷は不定期のため、購入は事前に連絡が必要。