JR福井駅西口に設置されていたモニュメント「FUKUI21」

高架橋の下でひっそりとたたずむモニュメント=福井県福井市上中町

 あの銀色のねじねじを覚えていますか―。1990年に福井駅前のシンボルとして建てられたモニュメント「FUKUI21」。恐竜に取って代わられたかつての県都の顔は、2001年の撤去から20年がたった今も、福井県福井市郊外の高架橋下で“保管”されながらひっそりと余生を過ごしている。

 地上21メートル、ステンレス製の立方体を21個積み重ねたFUKUI21は90年3月、総事業費9億4千万円の福井県のシンボルロード整備事業の仕上げとして、駅前中央通りの分離帯に4千万円で設置された。

 ひときわ目を引く大きさとデザインで、コンセプトの「21世紀に向けて、たくましく伸びる福井」を発信していくはずだった。が、西口再開発につながる県の駅前活性化事業の一環で地下駐車場の建設が決まり2001年9月にはあえなく撤去。まちづくりの象徴はわずか10年余りでその姿を消した。

 県には地下駐車場完成(07年)後の再設置なども念頭にあったようだが、恐竜を生かした観光振興構想の一環で09年、駅西口に恐竜モニュメントを設置することが決定。玄関口の景観は、幾何学的な近未来から迫力満点の太古の昔へ180度かじが切られた。

 11年に県都市整備課(当時)は「今後は未定だが、利用可能で保管している状態。駅西口の景観を踏まえ今後検討することになる」と福井新聞の取材に対し説明。現在、FUKUI21を所管する道路建設課に話を聞いてみると、さすがに再登板の目はなくなったようだ。

 同課は「駅西口に再設置する予定はないが、相当いい素材で今も利用が可能として保管している状態。使い方を考えていかないといけないのは確か」とする。これまでに▽溶かして素材として使う▽ほかの場所に設置する-などの議論はあったというが21年9月、撤去から20年を迎えた。

 撤去後のFUKUI21は福井市内を転々とした後、03年4月から、現在の同市上中町の東藤島高架橋下に移された。ぶつ切りに解体されても、今なお輝きはあせず、思わず「でかい…」と声が出てしまうほどの存在感。大量のステンレスが必要になったり譲り受けたいという人が現れたりといった“いい話”があるまで、保管は続くそうだ。