トンネルの歩道にたたずむニホンカモシカ=9月22日、福井県越前町内

 国の特別天然記念物ニホンカモシカが、福井県越前町内の県道のトンネルで、たびたび目撃されている。体長1メートルほどで、成獣とみられる。越前町の文化財などを管轄する越前町織田文化歴史館は「周辺にすむカモシカが、涼んだり雨宿りしたりしているのでは」と推測。一方、福井県自然環境課の担当者は「本来は森林に生息し、トンネルには餌も身を隠すものもない。好んで入るとは考えにくいのだが…」と首をかしげている。

 トンネルは深い山あいにあり、交通量は少ない。福井市の会社員の男性(54)が9月15日、オートバイで走っているときに見かけ、19日にも同じルートをツーリングしているとトンネル内の歩道にいた。オートバイ仲間から16日にも同じ場所で見たと聞き、「トンネルにすみ着いているのでは」と思ったという。

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 22日には、午後にトンネル内をうろつく姿があった。

 織田文化歴史館によると、このトンネルでの目撃情報は2年ほど前から越前町役場へ寄せられている。今年も3回通報があり、いずれも同じ個体とみられる。

 福井県などによると、ニホンカモシカは嶺北一円に生息。近年はえさ場を求めてくるのか、人里での目撃情報が増えているという。ただ人に危害を及ぼすことはなく「特別天然記念物のため捕獲はできない。見かけたらそっとしておくのが原則」だという。