福井県は来年度、嶺南地域では初となる聴覚障害教育の拠点を嶺南東特別支援学校(美浜町)に整備する。既に専門教員の育成を進めているほか、現在嶺北に2カ所しかない高度な聴覚検査室も年度内に設置。長時間かけて嶺北地域に通う保護者の負担を軽減する。

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 先天性難聴の子どもを持つ嶺南の30代の母親は、長女に続いて長男にも同じ障害があると新生児の聴力検査で分かった時、一晩泣き明かしたという。「障害がショックだったのではありません。毎週嶺北に通う経済的、身体的負担が今後も続くことに、途方にくれたんです」。嶺南に教育拠点が整備されることになり「何十年も変わらなかった保護者の悲願がかなった。将来の充実に向け大きな一歩」と喜んだ。

 母親たちが福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)の記事で「嶺北に通う負担は限界」と訴えたのは今年3月。窮状を知った行政関係者からすぐに連絡があったといい、「関係の方に親身に声を聞いていただけ、迅速に行動もしてもらえた」と感謝の言葉を述べた。

 同じように嶺北に通う視覚障害や発達障害、脳性まひの子どもらが気がかりという。「より丁寧に支援や教育を受ける必要のある人が、適時適切に、負担なく受けられるようになるといい」と嶺南・嶺北の格差解消に期待を寄せた。

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