エネルギー政策に対する自民党総裁選4候補の姿勢

 自民党総裁選は9月29日の投開票まで1週間余りとなり、論戦は熱を帯びている。福井県に密接に関係するエネルギー政策では、4候補とも安全が確認された原発は再稼働させると表明。一方、新増設・リプレース(建て替え)や核燃料サイクルでは違いが際立ち、争点となるなど、原子力政策に及び腰だった自民党の議論が活発化している。

 18日に開かれた日本記者クラブ主催の公開討論会。野田聖子幹事長代行は皮肉を込めて河野太郎行政改革担当相に問うた。「(河野氏が首相になれば)速やかに原発が止まる印象を国民の多くは持っている。修正したのか」

 河野氏は「耐用年数がきたものは速やかに廃炉となり、緩やかに原子力から離脱していくことになる、とだけ言ってきた」と述べ、変節ではないことを主張。確かに2012年に行われた福井新聞のインタビューでも「原発をいつごろまでにゼロにするか。途中はどうするかという議論になる」と述べ、“即ゼロ”は訴えていない。

 省エネと再生可能エネルギーの拡大を進め、「足らざる部分は原発の再稼働で補うしかない」というのが河野氏の考え。使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルは「なるべく早く手じまいすべきだ」とする。

 各候補の質問は、脱原発を持論とする河野氏に集中した。岸田文雄前政調会長は「原発再稼働と両立するのか」「プルトニウム保有など別の問題が出てくる」と疑問視。河野氏のいう「当面」とはどれくらいなのか、高市早苗前総務相は再稼働を認める期間と判断基準をただした。

 河野氏以外の3候補の考えはどうか。

 岸田氏は「核燃料サイクルを止めたら今動いている原発すら動かせなくなる」とサイクル維持を明言。一方、新増設・リプレースについては「その前にやることがある」と言及を避けている。

 高市氏も「原発を使い続ける限りサイクルを止めてしまうわけにはいかない」と指摘。安全性が高いと言われる小型モジュール炉、ウランやプルトニウムを使わない小型核融合炉への大型投資を訴える。

 ただ岸田、高市両氏とも資源の有効活用というより、原発を動かし続けるための核燃料サイクルという姿勢がにじむ。使用済み核燃料を再処理する際に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まっていない問題には言及していない。

 自身を「現実主義者」とする野田氏は「ベースロード電源としての原発の重要性は高い。急にゼロにするのは現実的ではない」とし、地熱発電の開発に意欲を示している。