朝倉椀チャレンジのメンバーが今年7月に挑戦した手引き轆轤作り=福井県鯖江市河和田町

朝倉椀チャレンジのメンバーが今年7月に挑戦した手引き轆轤作り=福井県鯖江市河和田町

 福井県鯖江市の越前漆器職人らが、福井市の一乗谷朝倉氏遺跡の出土品をモデルに、約500年前の戦国期の椀作りプロジェクトに取り組んでいる。当時の道具や製作環境まで再現する試みで、11月13日に同県池田町で材料のケヤキを人力で切り倒す。この作業の費用を、10月25日まで福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で募っている。

 プロジェクト名は「朝倉椀チャレンジ」。鯖江市河和田町で漆器問屋を経営する畠中広樹さん(60)を代表に木地師の垂水七彩さん(28)、塗師の二平星奈さん(24)らが2020年夏から始めた。福井大学の学生らも参加し、2年計画で「戦国期の椀」を再現する。

 ケヤキは、池田町の林業家が選定したものを買い取った。500年前にチェーンソーなどはなく、斧を使って人の手だけで切り倒す。当時、椀の形にくりぬくのに使われていた「手斧」は、越前打刃物職人に制作を依頼した。

 CFの目標金額は100万円。寄付は5千円~7万円のコースがあり、ケヤキ伐倒体験や再現する椀の中塗り体験、22年9月に予定しているお披露目食事会への招待などを返礼品とする。

 プロジェクトを「ものづくりの原点に立ち返る好機」と捉える畠中さんらは7月、「手引き轆轤(ろくろ)」を手作業で作り上げるなど、椀再現への準備を着々と進めている。先人たちの労力を身をもって知ることが「今の仕事にきっと生きてくる」と話している。

 福井県のふるさと納税型CF事業は福井新聞社のウェブサイトや紙面を通じた情報発信、福井銀行の経営サポートが受けられる。寄付はCFのサイト「レディーフォー」から。