「妊娠中だけど、ワクチン打っても大丈夫?」「妊娠中だからワクチンはやめとこうかな」。全国各地で新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、SNS(会員制交流サイト)やネット上には、こんな書き込みがよく見られる。厚生労働省や日本産科婦人科学会などの見解はどうか、調べてみた。

妊婦がコロナに感染したらどうなる?

 厚生労働省によると、妊娠中に新型コロナに感染しても、基礎疾患がない場合は妊娠していない同年代の女性と経過は変わらないとしている。ただ、妊娠後期に感染した場合は、患者本人が重症化しやすく、早産や妊娠合併症、胎児への悪影響のリスクが上がるという。胎児への感染はまれだと考えられている。

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 福井県内では、2021年4月以降に妊婦10人が新型コロナに感染した。療養中に出産を迎えたのは1件(8月31日時点)。女性は7月下旬以降の流行「第5波」時に臨月で感染したため、入院コーディネ―ターの医師や、災害時に産科、小児科の医療を助言する「周産期リエゾン」の医師が連携し出産までをサポートした。県は、妊婦の感染に対応する体制は整っているとした上で「かかりつけ医と相談しワクチン接種も検討してほしい」と呼び掛けている。

ワクチン接種の影響、副反応は

 厚労省は、国内で承認されているワクチンが妊娠や胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼすという報告はないとし「妊娠中の時期を問わず接種をおすすめします」と呼び掛けている。

 日本産婦人科学会と日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会が連盟で出した妊婦向けのQ&Aでも、ワクチン接種者と非接種者では、流産や早産などの頻度は変わらないとの認識を示し、厚労省と同様に積極的な接種を求めている。

 接種後の副反応は「妊婦と一般の人に差はない」とした上で、発熱した場合は早めに解熱剤を服用するよう求めている。頭痛がある場合も含め「アセトアミノフェン」は内服して問題ないという。

授乳中の子どもへの影響は

 米国CDCは、授乳中の人にも新型コロナのワクチン接種を推奨している。厚労省によると、ファイザー製、モデルナ製などmRNAワクチンの成分そのものは母乳に出てこないと考えられているという。一方で、授乳中にこれらのワクチンを受けた人の母乳に新型コロナウイルスに対する抗体が確認されており、授乳中の子どもを感染から守る効果があることが期待されている。

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妊娠を計画している人は…

 厚労省によると、妊娠を計画中の人も、ワクチン接種によって妊娠や胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼす報告はないとし「ワクチンを接種できる」。米国CDCも接種を推奨しており、ワクチンのために「妊娠のタイミングを変更する必要はない」としている。