渡辺勇大選手が東野有紗選手に贈ったものと同じ漆琳堂の椀。奥は東野選手のツイッター投稿をシェアした内田徹社長の投稿画面=福井県鯖江市西袋町の漆琳堂

 東京五輪のバドミントン混合ダブルス銅メダリスト渡辺勇大選手(日本ユニシス)が、ペアを組んだ東野有紗選手(同)の誕生日に越前漆器製造販売の漆琳堂(福井県鯖江市西袋町、内田徹社長)が手掛けた越前漆器の椀を贈った。プレゼントの様子は8月に出演したテレビ番組で放送され、話題となった。コロナ禍で苦境の越前漆器産地に届いた久々の明るい話題に、内田社長らは「本当にうれしい。ぜひ長く使ってほしい」と喜んでいる。

 渡辺選手は、8月15日に放送されたテレビ朝日系列の番組にゲスト出演。銅メダル獲得2日後の8月1日が、東野選手の25歳の誕生日だったことを紹介し、緑と黄色の椀のセットをプレゼントした。「何を贈るか決めていなかった」が、ふらりと立ち寄った雑貨店でカラフルな椀が目に留まったという。

 内田社長は放送を見ていなかったが、親しい顧客から「漆琳堂の椀がテレビに出ていた」と知らされ、びっくり。東野選手がツイッターに投稿した写真を見て自社製品と確認した。

 椀は、2012年に開発した木製の漆塗り商品。東野選手は現在、みそ汁用に使っており、福井新聞の取材に対し「福井はご飯がおいしくて大好きな県。越前漆器は使ったことがなかったけれど、すごく素敵なお椀。これから長くお世話になります」と話している。

 内田社長は、高校生の娘2人がバドミントン部に所属。東京五輪のバドミントン全試合を家族全員でテレビ観戦した。渡辺・東野ペアが銅メダルを決めた試合を「代表チーム全体が不調だった中で、2人のメダルはとびきり輝いていた」と振り返る。

 越前漆器はコロナ禍で旅館やホテル、飲食店からの受注が大幅に減少。こうした中、飛び込んできた明るいニュースに漆琳堂の社員たちも喜んでいるという。緑色の椀は9月末で製造を終了するそうで、内田社長は「漆器は修理が可能。新しく色を塗り直すこともできる」とし、長く愛用してほしいとしている。

 渡辺、東野両選手は「福井は自然豊かで県民の皆さんも温かい。山口茜選手の出身県でバドミントンが盛んだと思うので、皆さんに試合をお見せできる日を心待ちにしています」とコメントを寄せた。