さまざまな高校の生徒が一堂に学んだ合宿=福井県鯖江市の鯖江青年の家

 受験は団体戦-。難関大学を目指す福井県内高校3年生が学校の枠を超えて集まる勉強合宿が7月、福井県鯖江市の鯖江青年の家で行われた。企画した福井県教育委員会の「大学進学サポートセンター」によると「目的が同じ生徒が集まることで受験へのモチベーションが上げられる」と狙いを話す。大学生になった先輩にオンラインで話を聞く場も設けられ、受験生にとって「刺激し合える環境」になったようだ。

 同センターによると、難関大学への進学志望の場合は勉強量が増えるため、志望者の少ない高校などでは意欲を保ちづらいという。1泊2日の合宿には約40人が参加。夕食後の自習時間は、生徒のほとんどが消灯間際の午後10時まで机に向かった。丸岡高校の男子生徒は「周りはやる気のある人ばかりでいつもの5倍頑張れた」と話す。

 1日目の夕方には、県内出身の大学生3人にオンラインで話を聞いた。神戸大学経営学部へ進学した先輩は「合格した後の1カ月間の春休みは天国のようでした」と笑わせた。群馬大学で看護を学ぶ学生は「大学ではいろんな出会いや新しい発見がある。今を全力で頑張って」と励ました。

 合宿の授業では、受験に向けた実践的な学習が重点。2日間で計2こまの英語は「英作文の構成」を学んだ。「まず抽象的な内容を書き、徐々に具体的に」と具体的なアドバイスを送った。講師を務めた職員によると、英作文の受験指導は大学入学共通テストの後の場合が多く、2次試験に向けては間に合わない場合もあるという。

 難関大模試の問題などを例にし「40語程度で答える問題は、設問への簡潔な答え、理由、説明-の順に計3~4文で書く」と説明した。生徒は「これまでなんとなく書いていた英作文で初めて構成を考えた」と口をそろえた。

 2日間で計9こまが行われ、武生東高校の女子生徒は「学校とは内容も環境も違ったのであっという間だった」と振り返った。「モチベーションを上げたくて来た」という大野高校の女子生徒は「先生や先輩の話を聞いて本気で頑張ろうと思った」と話していた。福井県高校教育課の石津長利参事は「受験は一人ではなかなか戦えない。先生方や仲間と一緒にがんばって」とエールを送った。

◆将来像想像し、意欲高めよう

 石津参事は勉強へのモチベーションを上げるために、入試後の大学生活を考えたり、社会で働く自分の姿をイメージしたりするのを勧める。

 パンフレットや書籍、インターネットで得られる大学の情報に加えて、先輩とのやりとりなど「アンテナを高くしてほしい」と求める。信頼できる先生に自分の夢を相談するのも一つの方法。大学卒業後の職業や、やりたいことなど「10年後の自分」を考えるのが勉強の原動力になる。

 志望校が違っても、進学希望者同士で話す大切さも強調する。「興味のある分野や将来の夢を話したり、聞いたりしていると刺激を受ける」とアドバイスする。

 大学進学サポートセンター 難関大を目指す福井県内普通科高校生を支援しようと県教委が2020年開所した。文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定の藤島、高志、武生、若狭の4校を除く普通科高校が対象。オンライン講義や添削指導などのほか、集合型の補習、模試を行う。