事故現場となった海水浴場(2021年8月・福井県高浜町)

8月上旬、福井県高浜町の海水浴場に小学生の息子さんと2人で海水浴に訪れていた男性(県外在住・30代)が大ケガを負う海難事故が発生しました。いったい何が起こったのか?

実はこの事故、“夏ならでは”といったものなんです。

男性は、息子さんと午後1時ころに高浜町の海水浴場を訪れ、2人で海水浴を楽しんでいたそうです。
この日は天気も良く、8月の猛暑日。海も穏やかで絶好の海水浴日和でした。
しかし、息子さんと過ごす夏の海での思い出は、突如として予断を許さない非常事態となります!

この親子の近くで海水浴をしていた男性は、海中で意識を失っている父親を発見。あわてて海から砂浜に引き揚げたものの、意識・呼吸がなく、ただ事ではない事故者の状態から、近くにいた人に119番通報を指示するとともに助けを求めました。
騒ぎを聞いて駆けつけた近くの浜茶屋の店員さんが、事故者に心肺蘇生の処置を開始。適切な救命処置などの対応が功を奏し、事故者は咳き込んで息を吹き返し、現場に到着した救急隊に男性を引き継ぐ頃には、会話ができるまでに回復していました。

事故者は、搬送先の病院で「頸椎損傷」と診断され、入院が必要となる大ケガを負いましたが、たまたま現場にいた方たちの見事な連係プレーによって一命を取り留めたのでした。

関係する人たちへ事故の状況を聴いたところ、事故の原因は“羽目を外してしまったこと”にあるようです。
事故者は、息子さんとの海水浴中、砂浜から海に向かって走り波打ち際からジャンプ!頭から海に飛び込みましたが、水深が1メートルほどと浅く、頭が海底に突き刺さるような形となり、意識を失ったそうです・・・

実は、このような事故って夏の海では案外起こっています。
砂浜から飛び込んだ先の水深が浅いことなんて、普段冷静に考えれば当然分かることなんでしょうが、夏になると魔法にかかってしまったかのように、羽目を外してこのような事故に遭う人が少なくありません。
一体、夏の何がそうさせるのか・・・。

自然である海では、風や波などの外的な要因が事故を惹き起こすことが多くありますが、今回のような事故を防ぐためには、自分の内面も改めて見つめ直し、慎重に行動することが大切ですね。
特にお子さんと一緒なのであれば、子どもを危険から守ってあげられるのは、近くにいる大人だけです。
夏の魔物に惑わされることなく、楽しい海での思い出を作っていただきたいものです。(敦賀海上保安部・うみまる)