ボクシング会場でリングの消毒を行う競技補助員の高校生=8月9日、福井市の福井県営体育館

 福井県を中心に、約1カ月にわたり若きアスリートが熱戦を繰り広げた全国高校総合体育大会(北信越インターハイ)は8月24日、閉幕する。新型コロナウイルスの影響で無観客とし、各競技会場では接触機会の制限や消毒の徹底といった感染防止対策に余念がなかった。関係者は「昨年中止となった高校生の夢の舞台を実現したい、との思いで開催した。安全に終えられるよう最後まで力を注ぎたい」と力を込める。

 福井市で開催されたボクシング。羽水高校を率い競技役員も務めた岸田憲彦監督は「選手の勝敗以上に、無事(ボクシング競技が)終わったことにほっとした」と胸をなで下ろす。県外の選手や関係者は来県前にPCR検査を受けた。ウオーミングアップ場の入場を制限し、セッションごとにリングを消毒した。

 相撲(新潟)では、取組前後に選手は顔面や胸、肩まで消毒薬やアルコールティッシュで拭い、椅子は人が代わるごとに消毒、行司はフェイスガードを着けた。ハンドボール(福井)は、レフェリーやタイムキーパーらの感染対策としてストップウオッチやホイッスルは各自が持参したものを使用した。岸田監督は「試合中は当事者が熱中して感染対策がおろそかになる場面も見られ、注意するのが難しかった」と話す。

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 「たまたまうまくいっているだけ。全国から集まってくるリスクはやっぱりある」。ある競技の役員は、不安を口にした。

 坂井市で実施のサッカーでは、競技開始後の17日に県外からの審判員3人の感染が発表された。選手や補助員に濃厚接触者はおらず、大会運営に支障はないと判断、18日以降も予定通り実施した。

 感染者が出たことを受け、参加を辞退したスタッフもいた。しかし、運営に影響はなく、競技役員の野坂正隆総務副委員長は「風評被害で辞退が相次ぐ懸念があった中で、本当にありがたい」と語った。

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 大会期間中、福井県は4度目となる県独自の緊急事態宣言を出し、他の開催県では、まん延防止等重点措置が適用された地域も。国の緊急事態宣言の対象地域も広がった。

 全国高校体育連盟によると、20日時点で感染拡大により中止となった競技はない。一方で、ハンドボール男子の北陸高校など同日までに新型コロナの陽性者や濃厚接触者が確認されたとして出場を辞退した学校は21競技68校に上る。

 福井県内での実施競技では濃厚接触者が確認された場合、2週間の健康観察期間を経るなどの条件を満たさないとチームは出場できない。厳格な基準について福井県全国高校総体室は「選手には申し訳ないが、競技での感染は抑え、大会を止めないためだ」と理解を求める。

 今後もウィズコロナの状況は続く。コロナ下での「安全な大会」を目指した今回のインターハイ開催は、県内のスポーツ関係者にとって貴重な経験となるはずだ。