接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の表示画面

 新型コロナウイルス対策のスマートフォン向け接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の運用が始まって1年余り。福井新聞の調査報道「ふくい特報班(通称・ふく特)」に「意味がないならアプリを削除したい」との投稿が寄せられた。福井県によると、県内でアプリ通知によって検査に至ったケースはわずかで、陽性が判明した事例は「ほぼゼロ」。県も当初は積極的に導入を推奨していたが、最近は「ココアはもういいのかどうか、国から正式な連絡がないので分からない」(県幹部)などとトーンダウンしている。

 厚労省のホームページによると、7月16日時点のダウンロード数は2890万件で、人口の2割程度。陽性情報の登録は1万9642件にとどまっている。

 ココアを巡っては昨年8月下旬、敦賀市職員の多数の個人スマホが通知を受けたものの全員陰性で、厚労省が修正版アプリを配信する事態になった。利用者の約3割が使うアンドロイド版で昨年9月下旬から約4カ月にわたって、陽性者との接触通知が届かない不具合が続いていたことも発覚した。

 県の感染拡大防止対策チームによると、アプリ通知によって検査に至ったのは敦賀市のケースのほかは数件だけ。陽性判明に至った事例は「県が把握している範囲ではゼロ」という。患者と接触した人の場合、アプリ通知の前に本人から連絡が入って濃厚接触者と分かり、検査を希望するパターンが大半らしい。

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 県内の累計感染者は7月27日で1500人を突破した。窪田裕行・県健康福祉部長は同日の会見で「当初は国の要請もあり、県民にココアをお勧めしてきた」「(陽性判明者に)情報登録を求める作業はしている」とする一方、普及率の低さを踏まえ、ダウンロードや情報登録を「決してしなくていい、と言うつもりはないが、検査に結び付くケースはほとんどない」と消極的な言い回しで説明。感染ルートを追跡していくための有効な手段になっていないのが現状だ。「国が新たなシステムを考え、それが本当に役に立つものであれば(県民に)お勧めしていく」とも述べた。

 【接触確認アプリ「COCOA(ココア)」】厚生労働省が昨年6月19日に無料提供を開始した。スマホの近接通信機能「ブルートゥース」を活用し、利用者同士が1メートル以内に15分以上いると、互いの端末にデータが記録される。陽性になった人が保健所から割り当てられた処理番号などをアプリに入力すると、接触者の端末に検査の相談先や接触履歴一覧が通知される。

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