ゆであがった「奥越オマール」=7月15日、福井県大野市上半原

 福井県大野市の奥越漁協が同市の九頭竜湖に生息する特定外来生物ウチダザリガニを「奥越オマール」と名付け、食材としてブランド化を進めている。ぷりっとした身はカニのような風味でおいしいと、口コミでじわりと人気が広がっている。漁協関係者は「もっと多くの人においしさを知ってもらいたい」と意気込む。

 ウチダザリガニは、アメリカ北西部原産で、体長15センチにも成長する淡水ザリガニの一種。1926年に食用目的で北海道の湖に放流された。福井県内では九頭竜湖で2011年に初確認された。

 在来の魚類などを食べ、生態系を壊すため飼育や生きたままの移動などが法律で禁じられている“お尋ね者”だが、フランス料理などに使われている。北海道・阿寒湖産のウチダザリガニは「レイクロブスター」としてブランド化されている。

 奥越漁協は15年ごろからウチダザリガニ漁を始めた。組合員らが食べてみると、身はおいしく食材として活用できないかと考えた。トマトソースのパスタにしてイベント参加者にふるまうなど、19年にブランド化に着手。市内のフランス料理店「ビストロシャルム」では奥越オマール料理が提供されている。また、口コミでおいしさが広まり県内外から注文が入っているという。

 漁期は7月~10月。抱卵する秋ごろに体が大きくなり旬を迎える。このほど今年初の水揚げがあった。現地で塩ゆでするため手間はかかるが、同漁協副組合長理事の木嶋則幸さん(67)は「九頭竜湖のきれいな水で育ったザリガニは臭みがない。塩ゆでのままでもいい」とアピール、食材としての浸透に期待している。