福井県福井市の個別接種医療機関一覧。65歳以上や16~64歳が接種できる医療機関がずらりと並ぶのに対し、12~15歳は空欄が目立つ

 夏休みに入り福井県内の中学校、高校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生している。県は中高生世代へのワクチン接種について「夏休み中に終えられるといい」とするが、福井市などでは小中学生に対応する医療機関は少ないのが現状。県内の希望者全員の夏休み中の接種完了は壁が高そうだ。

 ◆副反応を考慮

 現状、子どもは12歳になった小学6年生以上が市町接種で使われているファイザー製ワクチンを接種できる。河野太郎行政改革担当相は6月、接種計画は市町に委ねるとしたものの「夏休み中に打ってもらいたい」と発言。県も学校での感染拡大防止に向け「副反応が出やすい2回目が学期中とならないよう、夏休みはいいタイミング」とする。

 福井市の場合、12~18歳の対象者は約1万5千人。既に接種券を発送し7月22日に予約を始めたが、福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)には「子どもは非対応の医療機関が多く、申し込んでも1回目がお盆すぎ。夏休み中には終われない」との声が届いた。

 実際、市内の医療機関を見ると、16~64歳は144カ所、65歳以上は137カ所で接種可能なのに対し、12~15歳が接種できるのは80カ所と6割以下だ。

 ◆選択肢の一つ

 福井県小児科医会会長で、免疫の発達が専門の笠原善仁医師は「このワクチンで中長期的に強い副反応が残る可能性は低い」と子どもの接種を勧める。福井市内の対応医療機関が少ない点は「子ども特有の副反応を考慮している面はあるだろう」と推察した。

 福井市は「夏休み中の接種も選択肢の一つとなるよう若い世代の接種券は前倒しで発送したが、必ずしもその間に接種が必要とは考えていない。全体の接種をできるだけスムーズに進めたい」と説明。「個別・集団接種合わせて8月にまだ約1万回分の空きがある。日程はコールセンターや窓口で相談してもらえたら」とした。越前市、敦賀市も同様に全体の早期接種を進めていく立場だ。

 ◆希望者は想定以上

 一方、勝山市は水上実喜夫市長が「2学期以降の活動に支障がないようにしたい」と、夏休み中の接種推進を表明。小児科医療機関には小中学生を優先して接種してもらっている。ただ、保護者への十分な説明を重視し、市の集団接種会場は小中学生は対象外。希望者が想定より多いこともあり、現時点で希望者全員は予約できていないという。

 同様に夏休み中の接種を推進する坂井市は、12~18歳の接種券を夏休み前に発送。職場接種の選択肢もある19~59歳分は7月下旬~8月の発送とし、小中高生を優先した。「希望者は予想より多い」といい、約6300人の対象者のうち、希望者は夏休み中に接種を終えられる見通しという。

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