2020年から一部生産を始めたルックスオティカの眼鏡製造工場=福井県鯖江市御幸町(同社提供)

 イタリアの大手眼鏡枠製造販売のルックスオティカグループ(本社ミラノ)が2020年、福井県鯖江市御幸町1丁目の国道8号沿いに眼鏡製造工場を建設し、生産を始めた。世界的ブランドを多数扱い、年間売り上げは2兆円ともいわれる巨大企業が、初めて日本に生産拠点を設けた。ルックスオティカ福井めがね工業のトーマス・シッタ代表取締役はメールでのインタビューで「鯖江ブランドを世界市場で確立したい」と述べた。

⇒【写真】ルックスオティカグループの福井工場内部

-現在の生産拠点数は

 「イタリアに6、中国、米国、ブラジル、インド、そして日本。鯖江の拠点は単なる工場ではなく、研究開発センター、ショールーム、庭園などが設置され、当グループの新たな理念を示す場所。2020年9月から一部生産を始めた」

-鯖江に生産拠点をつくる意味は

 「この施設では生産の約9割がチタンフレームになる。鯖江の伝統の職人技と当社の(開発、生産、販売を担う)垂直統合型のビジネスモデルが合わさることで、高級アイウエアにおける世界的需要にこたえられるよう進化させたい」

 「当社の歴史はイタリア北東部の眼鏡産地で始まった。土地に根差した歴史や伝統、職人技はお金で買うことはできない。『メード・イン・ジャパン』の神髄を理解し体得するには、鯖江で事業展開することが必須だった」

-現在扱っているブランドは

 「レイバン、オリバーピープルズ、アランミクリなどのほか、ライセンス契約ではブルガリ、シャネル、プラダ、ティファニーなど。鯖江の施設でも生産強化への投資を継続していく方針で、アセテートのフレーム製造を含め可能性を検討していく」

-鯖江は分業制で成立してきたが共存は可能か

 「垂直統合型のビジネスモデルを導入することで、優れた品質と革新的な職人技が世界でも広く認められる真のグローバルラグジュアリープレーヤーとしての地位強化を目指す」

 「テクノロジーは職人をサポートするものであり、製造拠点においての重要な要素はノウハウや経験といった人的資産だ」

-引き抜きを恐れる会社もあれば、鯖江ブランドを広めるチャンスと捉える会社もある。

 「鯖江ブランドをグローバル市場で確立することで、長期的に地域の産業に貢献していきたい」

-今後の経営方針は

 「日本独自の卓越したデザインや彫金技術、繊細な仕上げなどを取り入れ、デザインから仕上げまでの全製造工程でグループ全体のレベルを押し上げることを目指していきたい」

【ルックスオティカ】150カ国以上に法人向けの流通拠点があるほか、世界中で約9200店舗を運営。チタンなどの高級フレーム、サングラスなどの製造販売の福井めがね工業(鯖江市)と2013年から提携。18年には同社の株式の過半数を取得し、グループ化した。