データを基に、自動で便せんに文字を書くロボット=福井県鯖江市上河端町の「エクネス」

 代筆業などのエクネス(本社福井県鯖江市上河端町、平井康之社長)は、手書き文字のデータを基にロボットがボールペンで手紙を書く事業を展開し、都市部の企業からの注文を中心に業績を伸ばしている。2019年に初めて導入したロボットは現在200台まで増やした。新型コロナウイルスの影響で企業の対面営業が縮小する中、アポイント獲得のために、利用しているケースが多いという。

 平井社長(37)は18年3月、ウェブコンサルティング会社を起業。直後に、母親が福井新聞のコラム「越山若水」を毎日ノートに書き写している姿を見て、代筆業を思いついた。同年6月から母親ら10人ほど書き手を集めネットで集客すると、ポツポツと注文が入った。

 19年7月、データ化した手書きの文字を再現するロボットを導入。都市部の企業を中心に注文は増え続け、ロボットは現在200台になった。文字は男性風の文字や女性風の文字など、5種類から選べる。便せんはオリジナルの越前和紙を使用し、高級感や「大切な人に送るという思い」を演出している。

 顧客が用意するのは送付リストと文面データのみで、最短1週間で発送までを請け負う。同社によると、現在は1日当たり約1500通、1カ月に約5万通を送付している。

 新型コロナの影響で、訪問営業を控える企業が増える中、電話やメール、会員制交流サイト(SNS)などを使って顧客と非対面でコミュニケーションをとる内勤型営業(インサイドセールス)が注目されている。ただ、電話やメールではなかなかアポイントが取れないという現実もある。

 平井社長は「ワープロ打ちやコピーに比べ、手書きの便せんは相手の反応が全く違う。宛名も手書きなら開けるが、ワープロ打ちなら開けないケースが多い」。コロナ禍によって、同社の売上高は大きく伸びたという。

 「市場はまだまだ開拓できる」と平井社長。現在、封筒や便せんの機械へのセッティングは、人の手で行っており「さらなる自動化を考えていきたい」と話している。

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 代筆は月500通以上からで、1通当たり350~450円(便せんや発送料など込み)。詳細は同社ホームページ。