「藤城清治 光の世界メルヘン展」が開幕し、光と影の幻想的な世界に浸る来場者=7月20日、福井県の福井市美術館

 “光の芸術家”と称される影絵の巨匠、藤城清治さんの画業をたどる「光の世界メルヘン展」(福井新聞社、福井市美術館、福井放送でつくる実行委員会主催)が7月20日、福井県の福井市美術館で開幕した。作品のモチーフのこびとや小動物、童話の登場人物たちが照明を抑えた会場のそこかしこに浮かび上がり、光の階調とシルエットが生みだす幻想的な影絵の世界が訪れた人を優しく包み込んでいる。

 戦中戦後の混乱期を生きる子どもたちに手作りの人形劇や影絵劇を披露したのを出発点に、舞台やテレビ、雑誌連載や展覧会で影絵を発表してきた藤城さん。97歳の今も精力的に作品を生みだしている。

 静謐なモノトーンの作品から、宮沢賢治の童話を色彩豊かに再現した影絵、福井の風景を描いた新作まで約170点を展示。柔らかな光を当てられ、命を吹き込まれた影絵の前で親子連れらが足を止め、詩情豊かなファンタジーの世界に浸っていた。

 会期は9月12日まで。