入所者の食事を介助するゴックさん。人手不足の介護現場で外国人の介護福祉士は福井県内でも欠かせない存在になりつつある=福井県福井市蒲生町のこしの渚苑(同施設提供)

 福井県内の高齢者施設で働く外国人の介護人材が徐々に増えている。介護職を目指す留学生を支援する県独自の助成制度を利用し、現在41人が活躍している。新型コロナウイルス感染拡大で採用活動が制限され人手不足に拍車が掛かる現場で、欠かせない戦力になりつつある。

 県は2016年度、卒業後に県内の介護現場で働くことなどを要件として、専門学校の留学生に年間80万円を上限に補助する独自の助成制度を導入した。今春、制度を利用した17人が専門学校を卒業し、県内の事業所で働いている。

 福井市蒲生町の介護老人福祉施設「こしの渚苑」は今年4月、初の外国人介護福祉士となるベトナム人のハ・ヴァン・ゴックさん(26)を正規職員として採用した。

 当初は「日本人と同等の仕事ができると思っていなかった」という長谷川弘光施設長は、ゴックさんが他の職員や入所者とジョークを交えて会話するコミュニケーション能力の高さに驚いた。2年間のアルバイトを経て「既に一人前」と太鼓判を押す。ゴックさんも「大変な仕事だけど、入所者と一緒に本を読んだり、話したりするのが楽しい」と前向きだ。

 市街地から車で約1時間の沿岸部にあることも影響し、同施設は日本人の新卒職員が5年間採用できていない。ゴックさんは待望の若手で、働きやすいよう先輩職員もフォローを続ける。今年1月の大雪で路線バスが運休しゴックさんが自宅に帰れなくなった際は職員が送迎した。

 同施設では、別のベトナム人女性も正式採用を見据え、アルバイトで勤務している。長谷川施設長は「人手不足は深刻になるばかり。外国人の介護福祉士は今後ますます必要になる」と話した。