使用者が不明となっている墓地がある西墓地公園=福井県福井市小山谷町

 福井県福井市が管理する西墓地と東山墓地、兎越山墓地で、既に使用者が不明となっている約2300区画を含めた全7205区画についての再調査が難航している。墓を管理する親族が亡くなっていたり、転居先が分からなくなっていたりして管理されず、雑草が生え放題になることなどが問題となっている。現時点で確認作業は1割を終えただけで、福井市公園課の目算では作業完了は2029年ごろになるという。

 同課によると、西墓地は1959年、東山墓地は78年、兎越山墓地は2007年に整備された。合わせて1万4090区画あり、寺社所有分を除く7205区画を市が管理している。

 遺族らに管理されていない墓地は、雑草などが生え放題となり、隣接する墓地の使用者から苦情が市に寄せられている。しかし使用者と連絡が取れないため対応できず、放置されるなど問題になっている。

 市は2010年に墓地台帳システムを導入。直後から使用の有無が分からないものが3割、約2300区画あることがわかっていたが、19年度時点でも状況は改善されていなかった。これを受けて20年度から、台帳上は使用者が記載されている約5千区画も含め全調査を始めたが、21年3月末時点で使用者が特定できたのは763区画と全体の約1割にとどまっている。

 調査では、台帳上の使用者や、墓碑に記された人の親族の住民票や戸籍を調べ、名義変更や管理できない場合は返還の手続きを依頼している。しかし承継者が何代にもわたり死亡している場合や、親族が転居や転籍を繰り返しているなど特定が難しいケースが多く、調査が難航しているという。全国の自治体に問い合わせるなどして調べる必要があり、全て調べ上げるのは29年ごろになるとみている。

 市は、死亡届の提出時に、墓地に関する手続きの案内を行うとともに、墓地内に名義変更などを周知する看板を設置している。市公園課は「今後も作業を少しでも早めることができないか、効率的な調査方法を考えていく」と説明している。