関西電力美浜原発3号機(手前)=2020年12月、福井県美浜町(福井新聞社ヘリから撮影)

 関西電力は6月29日、東京電力福島第1原発事故後では国内初となる40年超運転に入った福井県美浜町の美浜原発3号機(加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)で発電機と送電設備をつなぐ並列操作を行い、10年1カ月ぶりに発送電を開始した。

 美浜3号機は23日に再稼働し、24日には核分裂反応が安定的に連続する臨界に達した。27日からはタービンを起動し、性能検査などを実施してきた。

 29日午後3時、運転員がタッチパネルを操作し、発電機と送電系統の周波数が合うタイミングを見計らって送電設備に自動的につなぐための装置を作動させた。

 間もなく「3号発電機、15時ちょうど、並列しました」とのアナウンスが発電所内に流れ、中央制御室の大型表示板にある発電機出力表示が「0・0%」から「1・0%」「2・0%」と上昇していき、予定していた5%前後で出力を調整した。

 並列確認後、関電の森本孝社長は「当社と協力会社社員一人一人が、原子力発電の安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全最優先で慎重に作業を進めていく」とのコメントを出した。

 関電によると、7月3日に原子炉熱出力を100%にし、定格熱出力一定運転(定熱運転)へ移行する。同27日に原子力規制庁の最終検査を終えて営業運転を開始する。美浜3号機による電力供給は、美浜町以西の嶺南地域と関西地域の一般家庭約185万世帯分の年間電気使用量に相当する。

 ただし、テロ対策施設が設置期限までに完成しないため、10月23日に運転を停止するとしている。

 ■関西電力の森本孝社長のコメント

 美浜発電所3号機は、本日、15時に発電を開始しました。

 当社の原子力発祥の地である美浜で、新規性基準施行後、全国で初めて40年を超えて運転するという新たな一歩を踏み出すことができたのは、立地地域をはじめ、これまでひとかたならぬご尽力を賜りました皆さまのおかげであり、心より厚く御礼申し上げます。

 今後は、発電機の出力を段階的に上昇させ、出力ごろのプラント状態を確認してまいりますが、引き続き、国の検査に真摯(しんし)かつ丁寧に対応するとともに、当社と協力会社社員一人一人が、原子力発電の安全性をたゆまず向上させていくとの強い意志と覚悟のもと、安全最優先で慎重に作業を進めてまいります。