三方湖や菅湖、水月湖が一望できる展望所=福井県若狭町の雲谷山

木が生い茂る登山道

 福井県若狭町と美浜町にまたがる雲谷山(786・6メートル)の山行ハイライトは出発してわずか3分後にやってきた。三方五湖のうち三方湖と菅湖、水月湖が真正面に輝く。久々子湖の奥には日向湖もちらりと見える。綿あめのような雲が影を湖面に落としながら、ゆっくりと流れていく。

 若狭町の三方石観世音から車で狭い林道を慎重に進んだ先の駐車場からスタート。間もなく到着した第3展望所からの眺めの良さに驚かされた。展望所にはログハウス風の小屋まである。上部への登山道に目をやると「雲谷山登山口(三方コース)」と書かれた木の看板。登山は始まってなかった。

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 最寄りの美浜観測所で、午前10時には25度以上を記録した夏日の一日。低山だけに日なたは“下界”と同様に暑い。ただ、登山道のほとんどは木が生い茂り、緑のトンネルの中を歩いているようで涼しい。乾いた落ち葉が敷き詰められた足元は歩きやすく、のんびりと進めた。

 アカマツ林、杉林を越えると、ブナ林が現れる。ブナは奥越に比べ積雪量が少ないからか、まっすぐに育っている印象だ。頂上周辺は1980年代に、山林所有者と旧三方町との間で、保存区域を設定したという。ブナが多くなるとゴールが近いことを意味する。

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 登山者がそれほど多くないためか、歩いた後が不明瞭で道は分かりづらい。道迷い防止に木の枝にくくられたピンク色のリボンを頼りに進む。

 アップダウンを数回繰り返した先に、木の根元に「雲谷山 山頂 787m」「美浜町 雲谷山」と書かれた少し古ぼけた看板を見つけた。大きく眺望が開けているわけでもなく、「最後の難所」のような急登もなかったため、少し拍子抜けした。登頂までの所要時間は1時間45分。山頂からは遠く美浜原発までの海が見通せた。

 【ヤマメシ】⇒完熟梅ジャムのホットサンド

 若狭町の山に初挑戦した6月3日は、ちょうど地元特産「福井梅」の初出荷と重なった。そこで「完熟梅ジャム」のホットサンドをヤマメシに採用。慎重に確認しながら、焦げすぎないように焼き上げる。サクッとした食パンの間から、しみ出る甘酸っぱいジャムが絶品だ。三方五湖を見下ろしながら、沿岸で育まれたであろう梅の酸っぱさを味わい、日ごろの疲れを吹き飛ばした。