美浜原発の中央制御室で、3号機の原子炉起動の操作をする運転員が映った中継画面=6月23日午前10時、福井県美浜町郷市の関西電力原子力事業本部

 関西電力は6月23日午前10時、運転開始から44年を超えた美浜原発3号機(加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)=福井県美浜町=を再稼働させた。原発の運転期間を原則40年と定め、特別な審査に合格すれば「20年を上限に1回限り延長できる」と定めた東京電力福島第1原発事故後の新ルール下で、全国初の40年超運転に入った。

 中央制御室で午前10時、運転員がタッチパネルの画面を操作し、核分裂を抑える制御棒を抜き、原子炉を起動させた。

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 24日午前1時ごろには核分裂反応が安定的に連続する臨界状態となる見通し。関電は29日に発送電を開始し、7月27日に営業運転を始める予定。原発に義務付けられたテロ対策施設が設置期限までに完成せず、10月23日に運転停止するとしており、稼働期間は長くても4カ月間となる。

 美浜3号機は1976年に営業運転を開始。2011年5月14日に定期検査入りして以降、約10年間停止していた。福島事故前は原発の運転期間に法的な規定はなかったが、事故後に原子炉等規制法が改正され原則40年に制限された。

 県内の40年超運転を巡っては、美浜3号機と同じく高浜1、2号機(いずれも加圧水型軽水炉、出力82・6万キロワット)についても杉本達治知事が4月28日に再稼働へ同意した。ただ高浜の2基はテロ対策施設などの完成が遅れており、当面再稼働できない。

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 関電の美浜、大飯、高浜原発では使用済み核燃料がたまり続け、サイト内の燃料プールは逼迫(ひっぱく)しており、新規制基準に合格した7基がフル稼働すれば5~9年で満杯になる。

 美浜3号機では、新規制基準に適合させるための安全対策工事とテロ対策施設設置の費用が計約2700億円となる見通し。