RSウイルス感染症 福井県内定点当たり患者数

 乳幼児に肺炎を起こすこともある「RSウイルス感染症」が、福井県内で過去最大級の流行となっている。1定点医療機関当たりの患者数は、初めて10人を突破。福井県小児科医会の医師は「心臓や呼吸器などの基礎疾患がある子どもや、生後6カ月未満の乳児は重症化する恐れがあり、特に注意が必要」と呼び掛けている。

 福井県の感染症発生動向調査によると、県内23の定点医療機関(小児科)からのRSウイルス感染症の報告数は2019年10月中旬以降は1定点当たり1人未満で推移していたが、21年の第16週(4月19日~25日)に1人を超え、第20週(5月17日~23日)に5・48人、第21週(5月24日~30日)は6・87人と急増。第22週(5月31日~6月6日)は9・61人となり、17年9月の8・00人を抜き、RSウイルス感染症が調査対象となった03年以降で最多となった。最新の第23週(6月7日~13日)は13・17人となり、過去最多を大幅に更新した。

 県保健予防課などによると流行は全国的で、西日本を中心に増加が目立ち、福井県などの北陸でも流行が広がっている。同課は「マスク着用が難しい3歳未満の患者が、県内でも目立っている」と説明する。

 「RSウイルスは例年秋口から流行し始めるのに、今年は6月に入って爆発的に増えてきた」と話すのは、県小児科医会会長の笠原善仁医師(福井市・かさはら小児科院長)。「ほとんど流行しなかった昨年の“反動”で、免疫を持っていない子どもが多いためではないか」とみる。

 RSウイルス感染症は発熱やせき、鼻水といった症状が中心だが、乳幼児の場合は気管支や肺に炎症が広がって重症化する恐れがある。医療機関ではインフルエンザと同じように、綿棒で鼻の粘液を取る抗原検査で診断するのが一般的。抗ウイルス剤はなく、せき止めや解熱剤による対症療法を行いながら回復を目指すという。

 感染経路はせきやくしゃみによる飛まつ感染や接触感染。笠原医師は「インフルや新型コロナウイルスへと同様、手洗いやマスク着用、うがいなどが対策の主体になる。風邪症状がある子どもとの接触を避けるのが最も大切」と指摘。「発熱が2、3日続いたり、せきがひどくなったりした場合は、ためらわず受診を。家庭では子どもの症状を注意深く見守ってほしい」と話している。

 ◇RSウイルス感染症 乳幼児に多い急性呼吸器感染症。国立感染症研究所によると、生後1歳までに50%以上、2歳までにほぼ100%の人が初感染する。成人の再感染は重症化するケースは少ないが、初感染の乳幼児の場合は、気管支炎や肺炎になる恐れがある。潜伏期は2~8日。