全日本大学野球選手権第5日、福岡大学を破って決勝進出を決め、喜ぶ福井工業大学の選手ら=6月12日、神宮球場

 全日本大学野球選手権第5日の6月12日、神宮球場で準決勝が行われ、福井工業大学(福井工大)が福岡大学に2―0で競り勝ち、決勝に進出した。3試合32得点と攻撃力で勝ち上がってきた福井工大が、初の決勝を懸けた一番で別の顔を見せた。堅守だ。

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 一回。福岡大の先頭打者の打球はライナーで右前へ。一歩目が出遅れた右翼の木村哲汰は全速力で前進。前方にダイブし、捕球した。先発の祝原光希は「出塁されたら流れが悪くなる場面。取ってくれて助かった」。その後に四球と安打でピンチを招いただけに、大きなアウトとなった。

 1点を先制した直後の二回にもビッグプレーが飛び出した。2死二塁。中前打で本塁を狙う福岡大の走者を、中堅の佐藤勇斗が捕手へノーバウンド送球し本塁刺殺。同点となれば、追いついた相手は勢いづく。「流れを渡さない」と佐藤の話すプレーがチームを救った。

 下野博樹監督が理想とするスタイルは「先行逃げ切り」。北海学園大(札幌)との1回戦こそ先制を許したが、大商大(関西六大学)との2回戦、名城大(愛知)との準々決勝はともに一回に先制し、試合を優位に進めた。

 この日も一回に先取はした。だが、これまでのように追加点がない。それだけに堅守がチームに与えたリズムは絶大。無得点に抑えた守備に下野監督も「みんながカバーし合った」と喜んだ。

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 目指す頂の前に立ちはだかるのは過去3度優勝の名門・慶大(東京六大学)。臆することなくぶつかるだけだ。主将の井元勘太は力を込める。「部員全員で日本一を味わいたい」と。