点字ブロックからブルートゥースの電波を発信し、スマホに通知が届く仕組みのイメージ(サカイ・シルクスクリーン提供)

 案内板など製造販売のサカイ・シルクスクリーン(本社福井県永平寺町松岡室、谷口祥治社長)は、音声で道案内する点字ブロックをセイコーホールディングス(HD)など国内3社と合同で開発している。ビーコン(電波受発信器)を内蔵した点字ブロックに近づくと、手元のスマートフォンに位置情報が届く仕組み。駅や空港などへの設置を想定しており、視覚障害者の転落や接触を防ぎ、外出を後押しする。2022年の商品化を目指している。

 開発中の点字ブロックは、ソーラー発電型ビーコンを内蔵している。照明で発電し駆動するため、充電は不要。特定のアプリを入れたスマホを持って数メートル以内に近づくと、「エスカレーター前です」「北口改札付近です」などと音声や文字の案内が届く。通信には近距離無線通信「ブルートゥース」を利用する。

 サカイ・シルクスクリーンの点字ブロックに、セイコーHDが開発した小型の発電、通信技術を搭載した。ソフトウエア開発のACCESS(東京都)がアプリ開発を担う。社会的弱者の支援に取り組むプレイワークス(埼玉県)が使用感や改善点を検証する。

 サカイ・シルクスクリーンは約10年前から、点字ブロックの位置情報を携帯電話に伝える技術の開発に着手。15年には白杖(はくじょう)をブロック内のICチップに近づけると携帯電話に通知される技術で特許を取得した。その後、ACCESSから共同開発の打診を受け、同社とつながりのあったセイコーHDが開発に加わった。

 21年度は試作品を用い、全国の鉄道駅や空港、公共施設で実証実験を行う。22年度はアプリを本格開発するなどして商品化し、公共機関への売り込みを図る。また、点字ブロックのビーコンから近隣の店舗のセール情報を通知したり、災害時に避難所を知らせたりするなどの構想もある。

 谷口社長は「障害者も健常者も出歩くのが楽しく安心なまちになるよう、ものづくりで貢献できれば」と話している。