福井鉄道福武線の乗客数推移

 福井鉄道は5月21日、2020年度の福武線の利用実績(速報値)を発表した。乗客数は前年度比20・0%減の159万190人で、過去最少に落ち込んだ。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛やイベント中止が響いた。

 これまでの年間利用者の最少は08年度の約160万5千人。国と県、沿線3市による鉄道運行の財政支援計画が実質的に始まった09年度以降、おおむね続いてきた増加傾向に急ブレーキがかかった。

 乗客数の内訳では、定期外の利用者が27万8762人(31・5%)減の60万6048人にとどまった。同社によると、特に高齢者の外出控えが顕著で、沿線3市の65歳以上を主な対象にしたプレミア1日フリー乗車券の利用者は42%減少した。幼稚園などの野外活動自粛や沿線のイベント中止が重なったことも影響した。

 定期の利用者は11万9358人(10・8%)減の98万4142人。特に4、5月は学校の一斉休校もあり大幅に減った。

 定期のうち通学は、学校再開後もリモート授業や車での送迎などが増えた影響で例年の水準には戻らず、13万3222人(18・7%)減の57万9020人となった。一方、通勤は1万3864人(3・5%)増の40万5122人。臨時急行バスの運行などによって通勤時間帯の列車内の混雑緩和を図ったことが奏功した。

 21年度の利用者数の目標は172万人。4月は19年比で17%減となっている。村田治夫社長は「本年度もコロナ禍前の水準までの回復は難しい」との見通しを示した。21年度にプレミア1日フリー乗車券を500円から400円に値下げしており、定期外の利用者増を目指して周知に力を入れるとしている。

 越前市の福鉄本社で開かれた福武線再建スキーム管理部会で報告された。会合は非公開で行われた。